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新型コロナウイルスのクラスター(集団感染)が確認された京都産業大(京都市北区)が、脅迫電話や差別的な扱いを受けていることが分かりました。
「殺すぞ」などの殺害予告も
京産大によりますと脅迫電話は、初めて男子学生の感染を発表した翌日の3月30日~4月4日の間におきたといいます。
新型コロナ関連の問い合わせや相談が数百件。
中には「感染した学生の住所を教えろ」「大学に火をつけるぞ」などの脅迫や「殺すぞ」といった殺害予告も含まれていたといいます。
京産大では「安全に関わる事態だ」として、刑事告訴も視野にいれて対応を検討しているということです。
電話以外にも「幼稚園の入園を断られる」などの差別
電話以外にも、飲食店が京産大生の入店を断る。
卒業生が入社式に個別で参加するように求められる。
「感染の可能性がある」として、職員が子供の幼稚園への入園を拒まれる。
などの被害があったといいます。
インターネット上には関係のない学生の名前
更に、インターネット上では感染者の特定や、まったく関係のない京産大生の名前を書き込みもおきているといいます。
感染していないにもかかわらず、感染者として非難するケースも。
京産大の担当者は「感染拡大防止を最優先に考えて積極的に情報開示してきたが残念だ」
「本学学生が起点となった感染拡大は申し訳なく思い、感染された方の早期回復を願っている」
としたうえで、「さらなる感染拡大防止のために誠心誠意に対応しているところなので、学生や教職員への誹謗中傷や不当な扱いは控えてほしい」と話しています。
事の発端は男子学生3人の卒業旅行
事の発端は、京産大の男子学生3人が、3月2~13日に卒業旅行でフランスやスペインなどを訪問。
帰国後の、同19~22日に居酒屋やカラオケ店でゼミの卒業祝賀会やサークルの懇親会に参加し、その後感染が確認されました。
感染が確認された3人のうち2人は石川県と愛媛県で感染が判明しています。
この京都産業大学の学生を中心とした感染者は、京都府をはじめ、和歌山県、滋賀県、石川県、富山県、岡山県、愛媛県、香川県、徳島県、兵庫県、大阪府などの12府県で合わせて54人以上に上っています。