「関西みらい銀行」が251億円の不正融資。不正発覚から公表まで1年超。悪質な手口の数々。第2のスルガ銀行か。やはり半沢直樹はいなかった

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関西みらい銀行が不正融資

 

関西みらい銀行は18日、和歌山支店の一部行員が取引先の住宅販売会社の持ち込んだ住宅ローンの審査書類の偽造を知りながら融資を続けていたと発表しました。

 

不正融資は2005年2月から19年10月までの間で、融資額は計251億円とされています。

 

参照:NHKニュースWEB

この度、関西みらい銀行 和歌山支店におきまして、下記のとおり特定の住宅販売会社から長期間にわたり住宅ローンの不正な持ち込みが行われていたことが判明いたしました。また、この不正な持ち込みに際し、当社従業員が不正の一部を知りながら取り扱いをしていたことが判明いたしました。

信用を第一とする金融機関として、このような不正行為が発生したことは誠に遺憾であり、日頃から当社をご愛顧いただいておりますお客さまならびに関係者の皆様方に多大なご心配とご迷惑をおかけしましたことを心からお詫び申し上げます。

1.事件の概要
(1)特定の住宅販売会社による不正な住宅ローン案件の持ち込み
当社和歌山支店のお取引先である特定の住宅販売会社から持ち込まれた住宅ローンにおいて、売買契約書の二重作成等や勤務先の虚偽申告、収入証明書類等の偽造が、多数行われていたことが判明いたしました。また、住宅ローン利用者の一部については、不正を認識していたことを確認しております。なお、本件について、住宅ローン利用者、第三者に被害は生じておりません。
【特定の住宅販売会社から持ち込まれた住宅ローン不正の概要】

期間 2005年2月~2019年10月
不正に持ち込まれた住宅ローンの件数・金額 最大 1,151件 251億6,400万円(実行分累計)
949件 173億4,100万円(8月末残高)
不正の内容
売買契約書二重作成等による借入金額の上乗せ
資料偽装による勤務先の虚偽申告
収入証明書類(源泉徴収票等)の偽造
(2)発覚の経緯
2019年9月に住宅ローン利用者から一般社団法人全国銀行協会へ相談の電話があり発覚いたしました。
(3)当社従業員による関与
(1)について、和歌山ハウジング営業部の従業員1名が不正の一部を知りながら手続きしていたものです。また、当該従業員以外にも、不正の一部について看過・黙認していた従業員が複数名おりました。
(4)不正が発見できなかった原因
本来、住宅販売会社向けの営業を担う和歌山ハウジング営業部※と融資事務を担う和歌山支店が役割分担して事務の相互牽制を行うべきところ、その仕組みが機能せず、馴れ合いの取り扱いとなっていました。また、途中中断はあったものの、当該従業員が延べ11年以上にわたり和歌山支店(和歌山ハウジング営業部を含む)に在籍していたことも原因と考えております。
※和歌山ハウジング営業部 2004.11.22(開設)~2015.3.31(閉鎖)、閉鎖後、業務は和歌山支店が継承
2.当該住宅販売会社およびローン利用者への対応
当該住宅販売会社につきましては、採り得る民事および刑事の法的措置の準備を進めております。また、不正を認識していた住宅ローン利用者につきましては、個別に対応させていただく方針です。

関西みらい銀行HPから引用

 

住宅ローンの不正融資は他の銀行でもありましたが、手口はどのようなものなのでしょう。

 

事件の概要

 

関西みらい銀行和歌山支店の取引先である特定の住宅販売会社から持ち込まれた案件について、融資ができない案件にもかかわらず、書類の偽造等を行い融資を行った。

 

不正の内容は、

①売買契約書二重作成等による借入金額の上乗せ

②資料偽装による勤務先の虚偽申告

③収入証明書類(源泉徴収票等)の偽造

 

要は収入の少ない顧客の資料を偽造して住宅ローンで家を購入できるくらいまで水増ししたという内容です。

 

当然、私文書偽造などの罪に問われます。

 

これらの不正について、関西みらい銀行の従業員は知っていたが、ノルマ達成のために見過ごしていたというものです。

 

スルガ銀行と同じ手口

 

スルガ銀行でも、シェアハウス向け不正融資が行われた際にこの顧客の収入の偽造が行われました。

 

関西みらい銀行では不正が発見できなかった理由として、一部社員の隠蔽や営業部と融資部門の馴れ合いなどをあげていますが、本当に銀行の上層部が知らなかったとは思えません。

 

参照:NHKニュースWEB

 

また、発見の経緯が、「2019年9月に住宅ローン利用者から一般社団法人全国銀行協会へ相談の電話があり発覚」となっていますが、公表までの1年間銀行は何をしていたのでしょうか。

 

株主総会が終わって、ある程度落ち着いてからの発表です。

 

銀行が恣意的に発表を遅らせたと考えるのが普通ではないでしょうか。

 

社員の処分について

 

関西みらい銀行では、不正を知りながらローンを取り扱った50代の男性行員を8月末に懲戒解雇。

 

また、元行員の不正を黙認していた行員のほか、行内で定められた適切なチェックを行っていなかった行員計9人について、処分を検討するとしています。

 

251億円もの不正融資を地方銀行が見抜けないわけもなく、おそらくトカゲの尻尾切りではないかと思われます。

 

住宅ローンを借りた顧客には個別に対応とありますから、ローンを取り消される顧客も出てくるでしょう。

 

とても闇の深い事件ですが、金融庁は「業務改善命令」を出さないのでしょうか。