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かんぽ生命で不適切な乗り換え契約をすすめる
既存契約を解約して顧客に不利な新契約へ乗り換えさせるなど、かんぽ生命保険が不適切な販売を高齢の契約者らに繰り返した疑いがあるとわかったと報じられています。
保険料上昇などで顧客のメリットが乏しい不適正な乗り換えは、2万1000件のうち月約5800件。
販売を担う郵便局員らの加入件数稼ぎが背景にあるとみられ、金融庁も調査に乗り出したということです。
保険契約の乗り換えは新商品への変更や保障の見直しでよくなることもありますが、中途解約すると解約返戻金が支払い済み保険料より減ったり、契約時の年齢が上がって保険料が高くなったりしやすいというデメリットがあります。
そういうデメリットも説明したうえで、どうしても入りたいという契約者以外は契約してはいけないことになっています。
約4分の1が不適切契約などありえない
かんぽ生命は生命保険業界でも上位にランクされている保険会社です。
しかし、その実態は郵便局が郵政民営化で保険会社を作ったという、もともとが生命保険の会社ではありません。
そして、その保険は基本的に郵便局員が販売しています。
銀行の窓販でさえコンプライアンスについては危ういのに、郵便局員がノルマに任せて販売すればコンプライアンス違反をするのは目に見えていますし、そのような教育も受けていなかった可能性があります。
通常の生命保険会社では特にこの「乗り換え契約」に特にうるさく、説明した内容や持っていった見積書や資料などを契約前か後に厳しく検証します。
その体勢すらできていなかったということは、今の保険業界ではかなり悪質な保険会社以外には考えられません。
クローズアップ現代が昨年4月に取り上げていた詐欺まがいの契約獲得
「クローズアップ現代」が、昨年の4月にこの郵便局の詐欺まがい(詐欺?)の手口について番組で公開しています。
https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4121/index.html
この「クローズアップ現代」の番組の内容を見ると、郵便局の売り方は完全な『詐欺』。
高齢者の場合、家族が同席するルールなのに、同席させないように話をもっていく。
また、営業成績優秀者として表彰された郵便局員が
「郵便局というだけで、高齢者の場合、だましやすい。」
とまで話しています。
また、この詐欺行為には上司の恫喝があるとされており、現役の郵便局員も「泣く泣くお客様をだます」とまでやりたくないのに仕方がなくやっていると語っています。
それに対して、金融庁がやっと調査に乗り出したそうです。
金融庁の窓口にも通報がはいっていたのでしょうが、おそらくめんどくさいので無視していたのでしょう。
保険業法を改正したのはいいのですが、その検証をしていないのでこの始末です。
各保険会社はまた、コンプライアンス無視の利益追及に走り出しています。
この問題を1年以上放っておいた金融庁の姿勢にも問題があると私は思います。
その間に騙された契約者に対して、郵便局と金融庁はどのように責任をとるのでしょうか。