【元保険会社社員が解説】渋谷区でタクシーが横断歩道上の6人をはね佐藤優子さん(49)が死亡した事故で被害者に賠償金が出ないかもしれない理由

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渋谷区でタクシーが横断歩道を渡っていた6人をはね49歳の女性が死亡

 

4日午後7時すぎ、渋谷区笹塚の甲州街道でタクシーが横断歩道をわたっていた男女6人を次々とはねました。このうち、近くに住むアルバイトの佐藤優子さん(49)が死亡したほか、小学3年生の男児(9)を含む男女5人がけがをしました。

 

参照:TBSニュース

 

4日夜、東京・渋谷区でタクシーが横断歩道を渡っていた6人をはね49歳の女性が死亡しました。警視庁はタクシーの運転手が運転中に意識を失った可能性があるとみて調べています。

 「タクシーはこちらの交差点で人をはねたあと、はねた人をボンネットに乗せたまま、スピードを緩めることなく、あちらの場所で停車しました」(記者)

 4日午後7時すぎ、渋谷区笹塚の甲州街道でタクシーが横断歩道をわたっていた男女6人を次々とはねました。このうち、近くに住むアルバイトの佐藤優子さん(49)が死亡したほか、小学3年生の男児(9)を含む男女5人がけがをしました。

 「女の方1人と男性の方が10mくらい飛ばされていて」(目撃者)
 「(運転手の男性は)ぐったりとしていて倒れている状態」(目撃者)

 タクシーを運転していた73歳の男性もけがをして病院に運ばれていて、警視庁は回復を待ち事情を聴く方針です。捜査関係者によりますとタクシーの乗客の女性は事故直前、「運転手の意識が朦朧とした感じだった」と話しているということです。

 運転手が勤めるタクシー会社によりますと、運転手は経験30年以上のベテランで、4日朝の始業時の点呼の際は体調に問題は確認できなかったということです。

TBSニュースから引用

 

この運転手の男性に意識があったかどうかが、賠償については争点になります。

 

運転手が心神喪失状態であれば自動車保険適用外

 

73歳の運転手が「心神喪失状態」であった場合、無過失とされ自動車保険の任意保険の対象にはなりません。

 

例えば、自動車の運転中に突然発作を起こして意識を失って事故を起こしたような場合です。

 

今回の場合、突然意識を失っていますから「心神喪失状態」とみなされる可能性が高いと思われます。

 

警察も報道も運転者とタクシー会社に配慮

 

通常この手の大きな事故であれば、運転手の名前は出ますし、タクシー会社の「あんどん」くらいはニュースに流れます。

 

しかし、今回の事故は人が死んでいるにもかかわらず運転手の名前もタクシー会社の「あんどん」も分からないものをニュースで流しています。

 

参照:TBSニュース

 

おそらく、警察も報道もこの「心神喪失」状態の場合の責任の有無がはっきりしないため、隠しているのだと思われます。

 

運転手は経験30年のベテラン運転手?

 

事故を起こした73歳の運転手は経験30年以上のベテランで、4日朝の始業時の点呼の際は体調に問題は確認できなかったとタクシー会社では語っています。

 

タクシー運転手で30年のベテランといっても73歳です。

 

ほかの業種はどうかは知りませんが、タクシー運転手は「ベテラン」になれば歳をとり反射神経も自ずと落ちていきます。

 

タクシー会社が使える限り運転手を使う、運転手は体力がいらないから運転手を続けるという構図がなくならない限りこういう事故は絶えません。