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山形県の警察署に勤務する警察官3人が、ことし2月、飲食店で酒を飲んでいた際に、後輩の警察官に服を脱ぐよう強要したうえで、背中を殴る暴行を加えたなどとして、27日付けで停職などの懲戒処分を受けました。
財布から1万円を抜き取り酒に入れて飲ませる
山形県警によりますと、処分を受けたのは県内の警察署に勤務する男性警部補2人と男性巡査部長の計3人(いずれも30代)です。
今年2月に飲食店で飲酒中、後輩3人の顔や背中を何度も殴ったなどとして、)を強要や暴行の疑いで山形地検に書類送検したということです。
巡査部長ら3人は2月下旬、県内の飲食店やその駐車場で、後輩2人の顔を平手で何度も殴った疑いがあります。
さらに、巡査部長と警部補のうち1人は2月中旬、県内の飲食店で、後輩2人に対し、「1万円の酒だ」と言って後輩の財布から抜き取った1万円札などを入れた焼酎を飲ませるなどしました。
また、カラオケ中に服を脱ぐことを強要したりしたほか、背中を平手で複数回殴った疑いです。
いずれも、署員が多数参加する懇親会の2次会で起き、止めに入る署員もいたといいます。
被害に遭ったのは20代の男性警察官3人で、6人は同じ署に勤務していました。
処分の内容は?
監察課によると、処分内容は、強要と暴行容疑で送検した巡査部長が停職1カ月。
両容疑の警部補が減給10分の1(6カ月)、暴行容疑の警部補が戒告です。
3月上旬、県警に匿名の文書が届いて発覚しました。
飲み会を盛り上げるため
3人は「場を盛り上げるためにやった」
「後輩が2次会に来ず、別の場所で飲んでいたことに憤慨した」
「仕事上の不満から、説教が高じた」などと供述しているといいます。
体育会系によくある、昭和の古い体質がそのまま残っているようです。
水田潔首席監察官は「警察の信用を失墜させた行為で、厳正に処分した。職員に対する指導の徹底を図り、再発防止に努める」としています。
一方、県警は「取材などで警察署が特定されると、被害にあった警察官や、処分対象の警察官の特定につながる恐れがある」などとして、所属先の警察署や、飲食店の場所を明らかにしませんでした。