この記事を読むのに必要な時間は約 3 分です。
とまこまい広域農協が横領を隠蔽
とまこまい広域農協(本所・胆振管内厚真町)苫小牧支所の30代男性職員が顧客の定期積金など計169万円を着服した問題で、秋永徹組合長ら同農協のトップ3人が着服の事実を把握していたにもかかわらず、法令に基づいた道への届け出をせずに隠蔽(いんぺい)していたことが、10日判明したと北海道新聞が報じています。
秋永組合長は隠蔽の事実を認め、関与した楠野公夫代表理事専務、阿部洋己常務理事とともに今月末で引責辞任するということです。
組合長が隠蔽を指示
秋永組合長は昨年6月23日、男性職員が顧客の定期積金45万円を着服したとの報告を同支所から受け、男性職員の上司に「不祥事にならないよう何とかならないのか」と指示し、男性職員に着服金を弁済させました。
男性職員は7月31日付で依願退職。
やれやれと思っていたところ、9月上旬に同農協の内部監査で男性職員が他の顧客の定期貯金も着服していたことが発覚。
10月中旬に着服した総額が169万円に上ることが判明し、11月6日になって初めて道へ報告しました。
農協法は不祥事を知ってから1カ月以内に監督官庁への届け出を義務付けていますが組合長は道に報告せず、着服の事実を把握していた楠野専務と阿部常務も黙認。
同農協の理事会で責任を追及された秋永組合長は着服のもみ消しを認め、3人は昨年12月に辞表を提出したとのことです。
権力にしがみついたか
松永組合長は何度か「代表理事組合長」に再選され、自らの権力を守りたかったものと思われます。
組合の金を着服した職員を守ったならまだしも、自分の保身のために「隠蔽」を図ったとは・・。
銀行ではほとんどありえない話ですが、JAの場合、お金であっても管轄は「金融庁」ではなく、「農林水産庁」です。
できれば隠蔽したまま、退任したかったのでしょうが悪いことはできません。
保身に走った人間の末路とでもいえるでしょう。