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18年3月2日、東京目黒区で壮絶な虐待の末に死亡した船戸結愛ちゃん(当時5才)の母親・優里(27)は保護責任者遺棄致死罪の罪に問われ実刑8年の判決で服役中です。そんな中、20年2月7日優里被告の獄中手記『結愛へ』が発売された。
【事件の経緯】
当時5才の長女に暴行をくわえけがををさせたとして2018年3月3日父親で無職の船戸雄大容疑者(33)を傷害の疑いで逮捕、結愛ちゃんは2日意識不明の状態で病院に搬送されたが死亡した。雄大容疑者は2月末頃から風呂場で顔を殴る、水シャワーをかけるなどの暴行を繰り返していた。又、執拗なダイエットと称し十分な食事も与えず死亡前、結愛ちゃんは臓器が正常な5歳児よりも5分の1も小さく萎縮していたという。体重も2歳児並みの体重だった。結愛ちゃんは母親の連れ子で長男は雄大容疑者との間の実子だった。
5歳児の女の子に『パパとママにいわれなくてもしっかりとじふんからもっともっときょうよりかあしたはできるようにするから もうおねがい ゆるしてくださいおねがいしますほんとうにおなじことはしません ゆるして』と言う反省文を書かされていたとするニュースは国民に衝撃をあたえた。
この事件の裁判員裁判で、東京地裁は保護責任者遺棄致死の罪に問われた雄大被告に懲役13年(求刑18年)の判決を言い渡し、母親の優里被告は懲役8年の判決が下された。
【手記の内容】
涙が出ないんじゃないんだよ、涙が出ないように必死で耐えた。
そうした中、2020年2月7日獄中の優里が自ら事件を綴った『結愛へ 目黒区虐待死事件 母の獄中手記』が母親が罪と向き合いながら綴った悲しみの記録として出版された。
その一部を紹介する。
2018年6月6日、私は、娘を死なせたということで逮捕された。いや「死なせた」のではなく「殺した」と言われても当然の結果で、「逮捕された」のではなく、「逮捕していただいた」と言った方が正解なのかもしれない。
私がまだ逮捕されていなくて、任意の事情聴取のことだ。「家族みんな葬式で泣いていたのに、あなたは泣いていなかったよね。あれは何?性格かな?おかしいんじゃないの?」私は悔しかった。涙が出なかったんじゃないんだよ。お葬式で泣くということは被害者の母親に自分が分類されるということ。被害者の母親として被害者づらする私を加害者の私が許さなかった。涙が出ないように必死で耐えた。
『手記:引用』
夫からの執拗な精神的DV、娘への虐待によって心がすり減らされていった経緯も生々しく綴られている。
結婚式直後のころと思う、結愛が床に横向きに寝っ転がっていた時、彼が思い切り結愛のお腹を蹴り上げた。まるでサッカーボールのように。私の心をおおっているものにひびが入り、ガラガラと音を立てて崩れ落ちた。
私は正座しながら説教を受け、それが終わると「怒ってくれてありがとう」と言うようになった。(略)私にとって説教とは叱られて終わりではなく、その後、彼に納得のいく反省文を提出し、許しをもらうまでの流れをいう。
『手記:引用』
獄中で何度も自殺未遂を繰り返したという優里は、一人の女性弁護士と出会い「一緒に乗り越えましょう」「一緒に頑張ろう」と言われ、死ぬ事だけが結愛ちゃんへの償いだと考えていた優里に変化をもたらしたという。
死んだら結愛に会えるはずと、ずっと思ってきた。本当にそうなのか、死ぬことが正しい道なのか、他に何か方法があるのではないか。
弁護士先生に今までのことをすべて話す決断をした。(略)この1年間、死のうとしていたこと、辛かったこと、自分の本音、自分の思ったこと、感じたこと、ずっと誰にも言わずに黙ってきた。話しても無駄だと思っていたから
『手記:引用』
生きててごめんなさい。死んでもごめんなさい。
初公判約10日前、雄大への怒りと、止めれなかった自分の罪。再び死を思いつつ綴られた
生きてつぐなう事を、結愛はどう思う?(略)私には死ぬことと生きること、どっちを選べばいいかわからなくなってる。どっちを選んでも間違いだと思うから。(略)
結愛へ。生きててごめんなさい。死んでもごめんなさい。結愛のことを想ってくださるすべての方に(略)私は母親として絶対にしてはいけないことをしました。私には謝ることしかできません。ただ謝ることしかできません。生きててごめんなさい。死んでもごめんなさい。ごめんなさいしか言えなくてごめんなさい。
『手記:引用』
最後に、手記の中に『私から私へ』という文章がある。
あなたはまだ自分一人の手で大切な人を救ってあげられると思っているのかな。(略)あなたの頑張りも強さも大切な人を幸せにしてあげたいという気持ちも、すべて間違っていたんだよ。だから一番失いたくなかった大切な人、大切な愛を傷つけて亡くしたんだ。(略)あなたが今本当にしなくてはならないことは何ですか。なんでも自分一人でやろうとするから失敗するの。あなたは弱い人間なんだから助けを求めなさい。(略)一番大切な子供たちを守れる覚悟はできましたよね?
『手記:引用』
同じような思いの人、若い女性に読んで欲しいと出版を決意したとしてますが、これを読んであなたは何を思いますか?
20.02.20 女性セブン