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宮城県石巻市立大川小学校の児童の遺族に殺害を予告したとして、42歳の男が逮捕されました。
東日本大震災の遺族に「殺害する」
宮城県石巻市立大川小学校の児童の遺族に殺害を予告したとして、逮捕されたのは、高知県香南市の小学校教員・近森公和容疑者(42)です。
近森容疑者は、1月22~23日、東日本大震災で犠牲になった、宮城県石巻市立大川小学校の児童の遺族3人を「殺害する」などとする文書を報道機関に郵送して脅迫したとしています。
近森容疑者は容疑を認めている。
脅迫文の消印は高知県内で差出人は偽名だったといいます。
捜査関係者によると、文書には同小を巡る訴訟の判決に不満を示す記載があり、「教員は悪くない」などと書かれていたて、県警は遺族に文書を示し、自宅や勤務先を警備していたところでした。
石巻市教育委員会によると、同様の脅迫文は2月下旬に市教委にも届いていたといいます。
遺族への殺害予告のほか、同小の慰霊碑を「ダンプで突っ込んで壊す」という趣旨の記述があり、県警は近森容疑者が投函(とうかん)した疑いがあるとみて調べています。
池田小で起きた児童殺傷事件の遺族にも脅迫か?
また近森容疑者は、2001年に大阪教育大付属池田小で起きた児童殺傷事件の遺族にも批判や脅迫する文書を送った疑いもあり、確認を急いでいます。
近森容疑者は昨年4~9月に高知県内の小学校で臨時講師を務め、いったん退職した後、今年4月から別の小学校で勤務していたといいます。
児童ら84人が犠牲となった大川小を巡る訴訟は、19年10月に最高裁が上告を棄却。
事前防災の不備による学校と教育委員会の責任を認め、市と県に約14億円の賠償を命じた2審判決が確定しています。
脅迫を受けた遺族は
脅迫文で殺害予告された遺族の男性は5日、毎日新聞の取材に「逮捕されほっとしたが現職教員と聞いてショックだ。怒りというより悲しい」と話しました。
また、別の遺族の男性も「家族に危害が及ぶのではと心配だった。子どもの見本にならないといけない人がやってはいけないことをした。しっかり責任を取ってほしい」と語った。
大川小を巡っては、児童23人の19遺族が2014年3月、宮城県と石巻市を相手取り仙台地裁に提訴。
その直後からインターネット上では「金目当て」などと原告遺族をやゆする書き込みが続いていました。
1審で遺族側勝訴の判決が出た後、原告遺族が地裁前で「学校・先生を断罪」と書いた紙を掲げると、「亡くなった先生を責めるのか」との批判も起きた。
学校側の組織的過失が認められた後も中傷は続き、心労が重なって体調を崩す人も出ていたといいます。
石巻市教委によると、近森容疑者は市教委に送りつけた脅迫文で、亡くなった教員を「命をかけて守った」とたたえつつ、「断罪」と掲げた原告遺族らを「人にあらず、殺しても無罪」などと批判していたといいます。