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勢多農林高2年の女子生徒が自殺
前橋市で2月、群馬県立高2年の女子生徒(17)が電車にはねられ死亡する事故があり、生徒が亡くなる約1週間前に「同級生から『死ね』と言われた」と母親に相談していたことが9日、両親への取材で分かったと共同通信が報じています。
生徒は勢多農林高2年の伊藤有紀さんで、県警は自殺とみています。
群馬県立勢多農林高校
住所:群馬県前橋市日吉町2-25-1
自宅にはいじめ被害に悩んでいたことをうかがわせる数十枚ものメモが残されていました。
いじめに関するメモ(遺書)
両親は「学校でいじめに遭っていた」と訴え、学校に真相究明を求めています。
有紀さんは、今年1月ごろから体調が悪化し、亡くなった2月1日は、学校で倒れ、家族が病院に付き添いました。
帰宅後、行方が分からなくなり、その後の午後7時ごろ、前橋市内の上毛電鉄・大胡(おおご)―樋越(ひごし)間の踏切近くの線路に進入。
電車の運転士が警笛を鳴らしましたが、間に合わなかったということです。
有紀さんの部屋には、
「先生は私の言葉を信じてくれなかった。ネットで悪口を言われてるのは本当なのに」
「そうか、すべて私が悪いのか。もういいや。私、もう」
「もうつかれた 私はその言葉で傷ついて泣いてきたのに こんな世界もうバイバイ」
などといじめ被害に苦しんだことをうかがわせるメモが大量に残されていました。
教師がいじめに対する対応を誤った可能性があります。
いじめは1年の時から
有紀さんは、高校1年の時からいじめを受けていたと両親は語っています。
有紀さんは高校に入学後、頭痛や腹痛を訴えたり、泣きながら帰宅したりすることがあったということです。
父親は「学校に相談したけれど、(対応が)ひどかった」と憤っています。
高校入学前は明るかったのに、高校入学後は「人が変わったように暗くなった」とも語っています。
現在、勢多農林高の「福島実校長」は事実について調査中としています。
有紀さんが相談し、対応しなかった教師に聞けば、だいたいのことはわかると思います。
一教師ではなく、学校全体で、いじめについてなぜ取り組めなかったのか。
有紀さんの死が悔やまれます。