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運転手の役割が変わる
北海道千歳市の路線バス会社、千歳相互観光バスでは、運転手不足が深刻化しています。
この状況にもかかわらず、運転手がバスの運行ではなく、窓磨きや草むしりといった業務に従事しているという現実があります。
例えば、57歳のベテラン運転手である江崎毅さんは、毎日お弁当を持参し、徒歩で出勤しています。彼は雨の日には特に歩行者の傘に注意しながら運転していましたが、現在では運転する機会が減り、窓磨きに時間を費やしています。
明らかな報復人事
歳相互観光バス(本社・北海道千歳市)の労働組合が「会社側が車両の法定点検を不正に行っていた」と指摘している問題で、同社は5日夕方、労使による団体交渉を開いた。
労組は6日朝から48時間のストライキの実施を構え、会社側に調査することなどを求めたが、会社が難色を示したため交渉は決裂。
代表取締役の沼田聖社長はかなり面白くなかったようです。
運転手不足と減便の矛盾
江崎さんの住む向陽台地区では、バスは唯一の公共交通手段であり、地域の住民にとって欠かせない存在です。
しかし、運転手不足を理由に千歳相互観光バスは4月から路線の減便を決定しました。
この結果、最終バスの時間が早まり、一部の路線は他社に譲渡されました。
しかし、実際には運転手が余っているという矛盾した状況が生じています。江崎さんは「運転手が余っているのに、なぜ減便や路線の譲渡を行うのか」と疑問を投げかけています。
日勤業務と給与の影響
江崎さんのような運転手が日勤業務に従事する背景には、会社が将来的な運転手不足を見越して、現役運転手を運行業務から外している現実があります。
日勤業務にはバスの清掃や草むしりが含まれ、運転手としてのスキルを活かす機会が失われています。
さらに、日勤では乗務手当が支給されないため、江崎さんの手取り月給は18万円ほどに減少し、年収は300万円を切る見込みです。これにより、経済的な負担も増大しています。
労働組合の闘いと将来への希望
労働組合の組合長を務める江崎さんは、会社との交渉を重ねてきました。
昨年4月には待遇改善を求めてストライキを行い、その後も団体交渉を続けていますが、満足のいく回答は得られていません。
江崎さんは「私たちはバス運転手であり、運転することで地域に貢献したい」と強調し、路線バス会社としての使命を果たすための努力を続けています。地域の足を守るため、そして運転手としての誇りを取り戻すための江崎さんの闘いは、まだ終わりを迎えていません。
北海道新聞の記事では、北海道千歳市の路線バス会社での運転手不足と減便の現状、そしてそれが運転手や地域住民に与える影響について詳しく説明しました。江崎毅さんのような運転手の努力と闘いが、地域の公共交通を守り続けるための重要な役割を果たしています。