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札幌市で障害者施設を運用する会社が障害児通所給付費を不正に請求し行政処分を受けました。
福祉施設ではこのような不正があとを断ちません。
(株)ホームが助成金を不正受給
札幌市は3日、市からの障害児通所給付費を不正に請求していたとして、児童発達支援事業などを行う株式会社「ホーム」(北区新琴似1の3)に対し、児童福祉法に基づいて新規利用者の受け入れを4日から3カ月停止する行政処分を行いました。
指定障害児通所支援事業者の指定の一部の効力停止(新規利用者の受け入れ停止)3か月
(令和2年4月4日から令和2年7月3日まで)
札幌市HPより引用
(株)ホームは札幌市内で3カ所の施設を運営しています。
行政処分の理由
札幌市のHPによりますと、法人代表者である川島大輝が、令和元年12月30日及び31日に、3事業所を営業しておらず、一切利用児童に対してサービスを提供していないにも関わらず、障害児通所給付費57万円を請求していたということです。
参照:札幌市HP
この間、子どもたちはどうしていたのでしょうか。
約80万円を返金措置
札幌市では、不正に請求して受領していた障害児通所給付費を返還させるほか、児童福祉法第57条の2第2項の規定により、当該返還金額に100分の40を乗じて得た加算額を請求するとしています。
返還金額は約80万円です。(不正請求額 約57万円、加算額 約23万円)
この不正受給は忘れていたというレベルではなく、処分の重さから故意にやったものと思われます。
助成金狙いの福祉施設もどきが乱立
「NPO法人オアシスHOKKAIDO」の山浦朗彦前理事長は、利用者1名について、平成30年3月から令和元年5月までの期間、事業所を利用していないのにも関わらず、給付費約174万円を請求しており、『指定障害福祉サービス事業者の指定の全部の効力停止6か月』と返還金額を約243万円されています。(不正請求額 約174万円、加算額 約69万円)
職員が入所者1名に対して、令和元年8月28日夜間、複数回暴行し、外傷を負わせる身体的虐待を行った「草笛館」も処分を受けています。
助成金を不正受給する施設があとを断たない理由
このような福祉施設には地方自治体なり国から助成金が出ます。
しかし、運営していくのはとても厳しいので素人が下手に手を出すとすぐ赤字経営になります。
また、助成金目当てで事業を始める人間もいるのは事実です。
今回の不正受給はもともと助成金を狙ったビジネスなのか、経営が息詰まっての不正なのかは不明ですが、最も迷惑がかかるのは社会的弱者である利用者であることを忘れてはいけません。