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昨年、中古車販売大手ビッグモーター(BM)が自動車保険の保険金不正請求問題で揺れた。
損害保険ジャパンは、競合他社と共にBMの不正の疑いを受け、事故車の斡旋を一時停止。
しかし、その後、BMとの関係悪化を恐れて、斡旋の再開を決める。
顧客への説明を後回しにする
この問題の深刻さは、損保ジャパンが顧客への説明を後回しにする姿勢を露呈していることにある。
金融庁が保険契約者保護に問題がないか調査中であるが、このような大手企業の対応は、信頼と誠実さに大きな疑問を投げかける。
顧客は保険会社に安全と安心を求めているのに、その期待が裏切られる結果となっている。
その理屈は今後考える
損保4社で集まりBM社への対応について協議した際に、東京海上日動が「過剰な修理費請求がある中でお客様対応はどうするのか」と損保ジャパンに迫ると、損保ジャパンは「お客様への(過大請求などの)案内は行わず、その理屈は今後考える」と、隠蔽とも取られかねない回答をしたとのことである。
その後理屈は考えるとはすで追加調査を行わずに取引再開という結論があったからだと考えられる。
すべて電話は録音されている
損保ジャパンでは「この会話は録音しています」という案内なしにすべての電話を録音している。
これは法に触れないらしいが、まさか顧客は録音されているとは思ってもいないだろう。
白川社長の電話も録音されているはずなので金融庁が開示請求をすればその間にどのような会話があったのか全てわかるはずである。
追加調査は行わない
損保ジャパンは追加調査を行わないとの判断を示したが、その背景にはBM社の600人程度の従業員の解雇にもつながるという経済的な判断があると見られる。
損保ジャパン社自体は数千人に及ぶリストラをしてきたのにBM社に対しては温情を見せたのはなぜであろう。
そもそも経済的な理由で顧客の安全と信頼を犠牲にすることが許されるのだろうか。
今後の金融庁の調査結果と損保ジャパンの対応が、業界全体の信頼回復に大きく影響を与えるであろう。
現場に指示がなく今までと変わらない仕事
損保ジャパンの社員に聞いたところ、特に本社から指示はなく今までと変わらずに査定をしているとのこと。
BM社を含め工場の写真見積りをアジャスターの目をとうしているだけとのこと。
アジャスターが写真見積りを見て不正かどうかなどわかるはずもない。
それは神の領域であり、そんなアジャスターを20年間保険会社にいたが見たことがない。
ここでも損保ジャパンは嘘をついて逃げようとしているようだ。