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要点をざっくり
- 性同一性障害を公表している北海道根室市の保坂いづみ市議(49)は27日、根室市長選に無所属で立候補すると表明しました。
- 保坂氏は戸籍上は男性ですが、女性として市議や弁護士の活動をしています。
- 当選した場合、おそらく日本初の性同一性障害の市長が誕生します。
性同一性障害の市議が市長選に立候補
心と体の性が一致しない「性同一性障害」を公表している北海道根室市の保坂いづみ市議(49)は27日、任期満了に伴う同市長選(9月2日告示、9日投開票)に、無所属で立候補すると表明しました。
参照:中日新聞
保坂氏は戸籍上は男性ですが、女性として市議や弁護士の活動をしています。
同日、市内で記者会見を開いた保坂氏は「市民の声を直接聞き、少数者に配慮した政治をしたい」と話しました。
保坂氏は神戸市出身で、神戸大を卒業後、2010年に司法試験に合格しています。
岡山県の法律事務所を経て、16年に根室市内に法律事務所を開設し、昨秋の市議選で初当選しました。
市長選は、他に前副市長の石垣雅敏氏(67)が出馬を表明しています。
保坂いづみ市議とは
保坂いづみ氏は神戸出身。
男性として生まれましたが、幼い頃から自身の性別に違和感を抱き、苦しんでいました。
神戸大学教育学部を卒業後、30歳過ぎまでフリーターとして働きましたが「手に職を付けたい」と一念発起し、通信教育で法律を勉強。
それまで、性同一障害であることを公表していませんでしたが、6回目の挑戦となった弁護士の口述試験で「24時間女性として生きたい」と覚悟を決め、女性の服装を身にまとって臨み、面接官に思いが届き、合格したとのことです。
教育学部出身で、フリーターから通信教育で法律を学んで弁護士になる。
それだけでも、すごいことです。
保坂市議の経歴
北海道新聞で保坂市議の経歴を紹介しています。
参照:北海道新聞 釧路報道部 フェイスブック
性同一性障害に苦しんだ…困っている人に寄り添いたい 神戸出身・保坂さん、思い出の根室で法律事務所
【根室】弁護士の保坂いづみさん(46)が市内2番目となる法律事務所を本町4の64に開設した。心と体の性が一致しない性同一性障害(GID)をきっかけに弁護士を目指し、離婚問題や債務処理などに関する相談に幅広く応じる。「根室の人の役に立ちたい」と意気込む。
保坂さんは神戸出身。男性として生まれたが、幼いころから自身の性別に違和感を抱き、苦しんだ。神戸大教育学部卒業後、30歳過ぎまでフリーターとして働いたが「手に職を付けたい」と一念発起し、通信教育で法律を勉強した。
周囲にGIDを明かしていなかったが、6回目の挑戦となった弁護士の口述試験で「24時間女性として生きたい」と覚悟を決め、女性の服装を身にまとった。面接官に思いが届き合格。「困っている人に寄り添い、声を聞く。ようやく得られた資格を人のために役立てたいと強く思いました」
13年から岡山県津山市の法律事務所に勤務。民事や刑事裁判の経験を積み、独立しようと新天地を探す中、大学生の時に自転車で巡った根室を思い出した。昨年6月に根室を訪れ、居酒屋で食べたトキシラズやカニ、日本酒に心を奪われ、事務所を構えることを決めた。
「根室に来ることに不安はありませんでした。人が住む場所には、いさかいや困りごとがある。物件さえあればどうにかなると思いました」。事務所は高齢者も訪れやすい1階にあり、プライバシーに配慮して二つの相談室を設けた。
前任の津山では、認知症や精神障害などで物事を判断する能力が十分ではない人を支援する成年後見の仕事を精力的にこなした。高齢化の進む根室でも必要性は高まっていると指摘する。「将来的に(成年後見人を務める際に助けとなる)社会福祉士を事務所に置きたい」と抱負を語った。営業時間は平日午後1時~同7時半。問い合わせは(電)0153・27・1718へ。(水野薫)
北海道新聞 釧路報道部 – 性同一性障害に苦しんだ…困っている人に寄り添いたい 神戸出身・保坂さん、思い出の根室で法律… | Facebook
北海道新聞 釧路報道部 フェイスブックから引用
弁護士事務所の場所
根室法律事務所
〒0870053 北海道根室市本町4-64 神戸屋ビル1階
根室市は、北海道の最東端にある市で人口約27,000人の小さな街です。
現在、人口減少にも悩んでいます。
昨年行きましたが、札幌からいくと、とても遠かったです。
弁護士の過疎地で働きたいという投稿も
参照:弁護士法人 岡山パブリック法律事務所フェイスブック
以前勤務していた岡山パブリック法律事務所のフェイスブックでも、保坂氏は名寄に弁護士事務所を開設した先輩に憧れ、自分もこうなりたいという投稿をしています。
神戸大学の教育学部を卒業し、フリーターから一念発起。
通信教育で法律を学び、6回目で司法試験に合格。
それも、口述試験では、女性の格好をして面接を受けています。
そして弁護士過疎地に、自ら赴き弁護士事務所を開設。
私には、某小室圭氏が、弁護士資格(国際弁護士)をとるために、3年間アメリカにVIP待遇で留学する意味が分かりません。
トランスジェンダーとして3人目の議員
国内でトランスジェンダーであることをオープンにして選挙に出馬し、当選したのは3人目とのことです。
また、国内のオープンリーなLGBTの議員は合計で6人になりました(世田谷区議の上川あやさん、文京区議の前田邦博さん、中野区議の石坂わたるさん、豊島区議の石川大我さん、入間市議の細田智也さん、そして根室市議の保坂いづみさん)
しかし、まだ市長になっている方はいないと思います。
もし当選すれば、おそらくLGBTでは日本初の市長誕生ということになると思います。
LGBT問題について、「LGBTは生産性がない」発言の自民党杉田水脈議員が、大バッシングを受けています。
弁護士として、他の弁護士が嫌う「過疎地域」に自ら赴き、「人に寄り添いたい」という姿勢は、性同一性障害という部分を除いてもとてもすばらしいことだと思います。