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要点をざっくり
- 中古スマートフォン市場が拡大する中、総務省が、2019年7月に中古スマホの「SIMロック解除」を通信大手3社に義務付ける方向で調整していることが分かりました。
- 私も格安SIMでひと騒動あり、このSIMについてはかなり勉強しました。
- これで、格安SIMで中古スマホが難なく使えるようになるとともに、大手三社の通信料が下がると思われます。
中古のスマホ、タブレットは「格安SIM」が使えない?
中古スマートフォン(スマホ)市場が拡大する中、総務省が、2019年7月に中古スマホの「SIMロック解除」を通信大手3社に義務付ける方向で調整していることが分かりました。
解除が義務付けられれば、消費者は中古スマホを購入しても、手軽に格安通信会社のサービスを利用しやすくなり、利便性が一気に向上します。
格安通信会社は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの通信キャリア大手3社から回線を借りて、通信・通話サービスを提供しています。
私はiPadのセルラーモデルを手に入れましたが(すったもんだのすえ)、マイネオのDプランなのでキャリアに「docomo」と表示されています。
格安SIMは、利用する会社やサービス内容にもよりますが、大手に比べ半額以下の料金で利用できるのが特徴です。
現在のSIMロック解除の現状
現在、大手キャリアで購入したスマホについては一定期間の利用を条件に、「SIMロック解除」の手続きが行えるようになりました。
2015年5月、SIMロック解除原則義務化がスタートしました。対象端末であれば、SIMロック解除の手続きをすれば、SIMフリーの端末のように、格安SIMを差して使えるようになります。SIMロック解除するには「購入日より○日以降」といった制限のある場合もありますが、携帯電話会社に合わせて端末を買い換えるような費用の負担がなく、気軽に乗り換え可能です。機種変更などで使わなくなった端末に格安SIMを差して再利用することも可能です。
お手持ちの端末をSIMロック解除して利用したい場合、まずは格安SIM各社が案内する動作確認済みの端末と、通信エリアをご確認ください。SIMフリー端末はあらかじめ多くのSIMカードに対応するように作られていますが、ご確認いただくと安心です。
「SIMフリー」「SIMロック解除」って何のこと?- SIMとは?(はじめてのモバイルONE) | NTTコミュニケーションズ 個人のお客さま
OCNモバイルONEより引用
この「原則」というのがグレーゾーンで、大手3社とも同じような「縛り」を設けています。
そのスマホを買った本人が101日以上使用してから初めて「SIMロック解除』可能
ちなみに、私が使用しているauだと、以下の条件をすべて満たすau携帯電話などが対象です。
- 2015年4月23日以降に発売されたSIMロック解除機能対応の機種であること。
- 契約者ご本人さまの購入履歴があること。
- ネットワーク利用制限中のau携帯電話でないこと。
- 機種購入日から101日目以降であること。
*ただし、一括で購入した場合は、即可能。 - 当社の回線契約を解約済みの場合は、解約日から100日以内であること。
auHPより抜粋
つまり、自分の買った端末で分割払いであれば101日以降、一括で購入すれば即SIMロックは解除できますが、通信料は買った時の契約期間(24ヶ月、36ヶ月)払わなければなりません。
(途中で解約は可能。あまり期間が短いとブラックリストに)
赤の他人の買った、中古のスマホやタブレットは、SIMロック解除不可ということです。
「格安SIM」が使える「SIMフリー」とは
私は、ヤフーオークションでSIMフリーのiPadを買ったつもりが、auの回線が生きているいわゆる「白ロム」でした。
私は格安SIMでマイネオのDプランというのに契約したのですが、このSIMを入れてもまったく通信ができませんでした。
SIMフリーとそれ以外の違いは、ざっくり解説すると
SIMフリー
SIMロックなし。
全てのキャリア・格安SIMで使える。
白ロム
キャリアのSIMロックがかかっている。
そのキャリアなら使える。
ネットワーク利用制限は「○」
赤ロム
キャリアのSIMロックがかかっている。
大手キャリア、格安SIMも使えない。
ネットワーク利用制限は「☓」
となっており、SIMフリーの端末以外は、格安SIMが使えません。
(一部使えるものもあるようですが)
中古端末の「SIMフリー」化は不可能に近い
私は、もう一台au端末のiPad Pro10.5インチをこのSIMフリーの知識なしで買ってしまい、どうしてもSIMフリーにできなくて、今回SIMフリーの第6世代のiPadを購入しました。
(これでiPad3台という異常さです)
これをなんとかSIMフリーにしたくてやってみたのですが、
・au全く対応できず。
(ギガをチャージしての使用はできました)
・端末をSIMフリーに改造してくれていた店はすでに閉店。
・海外の怪しいサイトもすでにダメ。
ということで諦めました。
auだけは昨年の12月末まで、その端末を買っていない他人でも「SIMロック解除」ができたようですが、他社に足並みを揃えたようです。
これでデータ通信は格安に
しかし、このSIMの解除が義務付けられれば、誰でも、NTTドコモの端末であればNTTドコモの営業所で、ソフトバンクの端末であればソフトバンクの営業所でSIMロック解除ができ、あらゆる通信会社のサービスが受けられるようになります。
この格安SIMは、料金が大手の半額以下というところもザラにあります。
ちなみにわたしの契約したマイネオ(mineo)のプランは3G・900円(au は1Gで約1000円)で、格安SIMに自身のない方は、「パソコン工房」で最低1000円から設定もしてくれます。
総務省は、通信事業者が中古端末のSIMロック解除に応じる義務などを盛り込んだ「モバイルサービスの提供条件・端末に関する指針」改正案について、6月7日~7月6日にパブリックコメント(意見公募)を実施。
特に大きな反対がなければ、「年内にも、中古スマホのSIMロック解除の義務化を正式に打ち出す予定」と話しています。
大手三社もこれで通信料を下げざるを得なくなり、SIM戦争が勃発しそうです。
消費者にとっては、とてもありがたい話ですね。