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要点をざっくり
- ニホンウナギの不漁が続いているため、うなぎは高騰し普通の鰻屋さんのうなぎは我々庶民の口には入らなくなっています。
- しかし、大手牛丼屋などでは、1000円を切る価格でうなぎを食べることができます。
- 週刊FLASHが、それら大手チェーンのうなぎのDNA検査をした結果、なんと「ヨーロッパウナギ」という、トキより上位に入る「絶滅危惧IA類」のうなぎを使っている店がありました。
うなぎが近年稀に見る不漁
近年、日本は歴史的なウナギの不漁で、水産庁によると、今漁期(2017年11月~2018年4月)のニホンウナギの稚魚(シラスウナギ)の国内採捕量は、前年同期より約4割減の8.9トンだということです。
そんな中で、うなぎは空前の高値が続いています。
今年は、7月20日と8月1日に「土曜丑の日」が2回ありましたが、専門店の多くが値上げに追い込まれました。
街では1000円以下の格安うなぎが
この高値の続くうなぎですが、大手牛丼チェーン店などでは、1000円を切る格安ウナギがあふれています。
これにはいったい、どのようなカラクリがあるのでしょう。
私は、中国産の劣悪な環境で育ったうなぎを使っているので安いのだと勝手に思いこんでいたため、食べていませんでした。
本誌は、大手チェーンで市販されているウナギ10品目を購入。市販のウナギの蒲焼きをDNA検査し、結果を公表してきた北里大学の吉永龍起准教授(海洋生命科学)にDNA検査してもらった。注目すべきは、「すき家」「なか卯」で販売されていたのが「ヨーロッパウナギ」であることだ。
「すき家」「なか卯」で販売の格安ウナギ 実はトキ以上の絶滅危惧種 (2018年8月3日掲載) – ライブドアニュース
週刊FLASHより引用
参照:すき家HP
この「ヨーロッパウナギ」はなんと、絶滅危惧種としてトキより上位の「絶滅危惧IA類」のカテゴリーに入っています。
ヨーロッパウナギとは
ヨーロッパウナギというのは聞きなれないウナギですが、その実態は
・硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区カライワシ下区ウナギ目ウナギ科ウナギ属
・体長 45〜150センチ
参照:宮崎県鰻販売事業協同組合
・蒲焼きでも、白焼きでも美味
・一般的にヨーロッパウナギはニホンウナギに比べて太くて短く、また脂がのっているのが特徴
・ヨーロッパでも料理の材料に使われている
・2009年にワシントン条約で輸出規制が開始され、輸入するためには、輸出国の証明書が必要
・自然保護団体のネガティブキャンペーンも増加し、2015年ごろから、日本ではあまり出回らなくなった。
・国際自然保護連合の指定によると、ヨーロッパウナギは「絶滅危惧IA類」で、トキより上位のカテゴリーに入る。
要は、日本人が中国から入ってくるヨーロッパウナギを食べ尽くして絶滅危惧種になったようです。
ヨーロッパウナギは食べても大丈夫?
水産庁増殖推進部の担当者が、FLASHの取材に答えています。
「ニホンウナギが高騰したので、ヨーロッパウナギが入ってきているのでしょう。ヨーロッパウナギは、EUは輸出を禁止していますが、モロッコ、チュニジアなどアフリカ諸国は、証明書つきで輸出を認めている。違法というわけではありません」
週刊FLASHより引用
なか卯では今年からヨーロッパウナギを使用するようになり、正規のルートで仕入れていると語っています。
参照:なか卯HP
格安うなぎの背景に、ヨーロッパウナギの存在があったとは。
うなぎには、ビタミンAが多く含まれており、昔から夏バテ予防に食べられてきました。
絶滅危惧種とはいえ、合法であれば、今年の夏一度くらいは奮発してうなぎを食べてみたいと思います。