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要点をざっくり
- 神戸市立中3年の女子生徒(当時14歳)の自殺に関し、破棄されたはずの同級生らへの聞き取りメモが存在していた問題の理由が分かりました。
- このメモには、女子生徒が自殺した原因となったイジメについて聞き取りをした詳細な内容が書かれていました。
- これを破棄した理由は、なんと「事務処理が煩雑になる」ためだっということです。
神戸市立中3女子生徒自殺で隠蔽
神戸市垂水区で2016年10月、市立中3年の女子生徒(当時14)が自殺した問題で、市教育委員会は3日、自殺直後に学校が友人に聞き取った内容のメモを残していたのに、市教委の首席指導主事と校長が相談して遺族に「存在しない」と虚偽の説明をして隠蔽していたと明らかにしました。
市教委によると、メモには生徒がいじめられていた事実や加害者側の名前が記されていました。
昨年3月、メモに関する遺族の問い合わせに回答する際、首席指導主事が、情報開示請求を受けると事務処理が煩雑になると考え、当時の校長に存在しないと伝えるよう指示したということです。
自殺した原因は自殺直後に判明していた
女子生徒は2016年10月6日、神戸市垂水区内で自殺。
市教委の第三者委員会は昨年8月、いじめはあったが『自殺原因は特定できない』とする報告書をまとめ、メモは「破棄された」としていました。
しかし、今年4月、メモの存在が判明し、久元喜造市長は遺族に謝罪して再調査を表明。
この時市教委は「職務の怠慢で、隠蔽目的ではない」とし、遺族に謝罪していました。
その後、市教委は弁護士2人に委託して、メモ問題の経緯を調べていました。
3日に公表された調査報告書によると、昨年2月、遺族から聞き取り調査に関する質問書が市教委に届きました。
そして、校長が回答方針について窓口になっている市教委の首席指導主事に相談したところ、この主事は『隠蔽』を指示したとのことです。
その後、校長は同年3月、遺族に対し「記録として残していない」と虚偽の説明を行いました。
参照:神戸新聞NEXT
*当時の校長の回答文書
事務処理が煩雑になるためと説明
この市教委の首席指導主事の隠蔽理由については
「メモの存在が明らかになれば遺族から再度の情報開示請求等が出されることが考えられ、事務処理が煩雑であると考えた」とのことです。
再度いじめに対しての情報開示請求がされれば、この首席指導主事はまた書類を作ったりいろいろな事務処理が発生し、仕事が増え、それが面倒臭いという理由です。
校長については「(自殺後)5カ月近く経過した時点でメモの存在を明らかにした場合の遺族の反応を心配し、できればメモがないことにしてやり過ごしたいという思いを有していた」とのことです。
つまり、女子生徒の自殺直後に、学校側はいじめの存在を知っていて、それをずっと隠していたのに、それが公になるとまずいと考えたようです。
指示した方もそれを実行した方も、とても教育に携わるものとは思えません。
自殺してまでいじめを訴えた、この中3の女子生徒は危なく「原因不明」で終わるところでした。
私は、生徒1人が自殺したことについて、責任を感じるよりも「めんどくさい」と考える今の教育現場を改めるしかないように思います。