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要点をざっくり
- 将棋界の第一人者・羽生善治竜王(47)が25日、静岡県沼津市民文化センターで講演を行いました。
- その中の、5つの金言についてスポーツ報知は報じています。
- 90分間まったく止まることなく語り続けた羽生は、終了予定時刻ピッタリで公演を終えたとのことです。
羽生善治が沼津で講演
羽生善治竜王(47)といえば、将棋は知らなくてもその名前は知っている将棋界の第一人者です。
色々な著書も出版しており、私も読んでいてファンです。
その羽生善治竜王が25日、静岡県沼津市民文化センターで講演を行いました。
出典:スポーツ報知
「重圧を感じるのはあと一歩まで来ている証拠」。「ミスを犯したら反省と検証の前に休憩」。数々の金言で聴衆を魅了していたことをスポーツ報知は報じています。
あまりにも素晴らしい言葉なので、要約してまとめました。
今、少し行き詰まっている方にはとても心に響くと思います。
羽生善治の5つの金言
羽生の金言1 6次の隔たり
「6次の隔たり」というのは、今、世界には70億以上の人々が暮らしていますが、自分の友人、友人の友人をたどっていけば、6人目には70億人全員とつながるという仮説です。
世界は思っている以上に、狭いという意味です。
羽生の金言2 直感、読み、大局観
棋士は、最初の一手を「直感」を使って選択します。
それも、1秒にも満たない間に、平均して800の選択肢から2、3に絞って打ちます。
次に「読み」で直感で選んだ3つの先を読むそうです。
そうすると6万弱のケースが現れるとのことです。
それで3番目に「大局観」で、過去から現在に至るまでの経験から、その方向性や戦略を決めるそうです。
この3つを使って考えることを、将棋をしている長時間行い続けているとのことです。
直感⇒読み⇒大局観で、物事を考えていきたいですね。
羽生の金言3 不調を乗り越えるには
羽生氏は、勝負の世界に生きてきて、化学的に証明されていないが「運」「ツキ」「流れ」「バイオリズム」というものはあるんじゃないかと思うようになってきたそうです。
今の状態が、運ではなく、「不調」だと思った時には「服装を変える」「髪形を変える」「早起きしてみる」という小さな変化のアクセントが不調を乗り越えるきっかけにつながったりすると語っています。
羽生の金言4 重圧を感じろ
リラックスして楽しんでいる時には動きがスムーズになり、パフォーマンスが発揮されますが、重圧を感じている時も悪い状態ではない。
最悪なのはやる気のない状態であり、重圧を感じるのはいいところまで来ている証拠。
重圧とは、何かしらの「手応え」を感じているときに抱くものとのことです。
羽生の金言5 ミスを重ねないために
羽生竜王でさえ、多くの失敗をしてきたそうです。
『ミスをした時は、ミスを重ねないために休憩を取り一服することが大事』だと語っています。
そして、ミスをした瞬間、始めてしまいがちな反省と検証を一度横に置き、『まずは集中して挽回する。』
また、勝負では、ミスをしたことで負けるとは限らない。
自分がミスをして、相手に新しいミスが生まれ、勝てることがあるそうです。
今のミスが、負ける結果に直接つながるとは限らないということですね。
『結果と一致しないことに物事の機微は潜んでいる』と羽生竜王は最後に語っています。
これは、天才・羽生善治ならではの言葉です。
90分でピタリと講演を終わり去る羽生竜王
羽生竜王は90分間まったく止まることなく語り続け、終了予定時刻ピッタリになった瞬間に「私のお話はこれで終わりとさせていただきます。ご清聴ありがとうございました」と告げ、舞台袖に消えたそうです。
羽生善治ならではの講演です。
私は、羽生善治さんと瀬戸内寂照さんの講演はいつか聴いてみたいと思っています。