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要点をざっくり
- 佐賀県の宗教法人が闇金融を営み、約5億円の収益を上げていたとして、兵庫県警は、法人と代表らを国税当局に課税通報する方針を固めました。
- 県警は、この宗教法人が宗教活動を装っていた「闇金」だと判断しました。
- 今の闇金は「ウシジマくん」よりも、巧妙な手を使っています。
警察が宗教法人を課税通報
佐賀県にある宗教法人の代表らは、資金の貸し付けと同時に、借り主に陶器などを高値で買わせるなどし、その代金で実質的に利息を得ていたということです。
県警は、この闇金が宗教活動を装っていたと判断し、国税当局に課税通報する方針を固めました。
この課税通報とは、暴力団関係等の捜査で把握した不法収益について、警察が税務当局に捜査資料などの情報を提供するものです。
税務当局は、この情報をもって税金を徴収します。
おそらく、この宗教法人の実態は暴力団関係ではないかと推測されます。
基本、闇金をするにはバックに「暴力団」がいないと難しいと、ウシジマくんにも描いています。
この宗教法人の手口
この宗教法人は、佐賀県伊万里市の寺院を所在地とする「
警察は、昨年の11月1日に、宗教法人を隠れみのにして「ヤミ金融」を営み、高金利で現金を貸し付けたとして、出資法違反の疑いで、宗教法人「至誠光魂(しせいこんごう)寺」代表、立石扇山(せんざん)容疑者(77)と、元法人職員ら41~70歳の男女3人を逮捕しました。
兵庫県警によると、立石容疑者らは貸金業の登録を受けない「ヤミ金融」を経営していました。
平成23年7月~今年1月、少なくとも42都道府県の約380の個人・法人に対し、法定金利の上限(1日あたり0・3%)を上回る超高金利で計約10億7千万円を貸し付け、利息を含め計約16億円を回収しました。
約5億6000万円の収益があったとみられ、県警は宗教活動を偽装した貸し付けだったとみています。
利息は法定の10倍以上
この宗教法人は、法定の約12~18倍の利息でお金を貸し付けていたとのことです。
現在の法定利息の上限は、1日当たり0.3%ですから、1日に5%くらいの利息をとっていたことになります。
闇金の利息はトイチからトサンが主流です。
トイチというのは10日で1割、トサンの場合は10日で3割利息がつくという意味です。
ちなみに、ウシジマくんの「カウカウファイナンス」の利息はトゴです。
1日5%とすると、10万円借りると1日5,000円の利息がつきます。
複利ではなく単利で計算しても、1月の利息が15万円になります。
そうすると、1年の利息は180万円となり、10万円借りたら1年で借金が190万円になります。
利息のとりかたが巧妙
通常、お金を借りたのですから、お金で返すのが普通です。
しかし、立石容疑者は融資の際、あらかじめ貸付額と同額の小切手を振り出すよう顧客に要求しています。
さらに「ネイチャーパワー」が含まれると称した、安価な湯飲み茶碗(ちゃわん)などを高額で売りつけていました。
また、借り主に花瓶などを高値で買わせたり、架空の女神像建立計画に寄付させたりして利息を得ていたということです。
宗教法人であることをうまく利用して、利息の取り立てを偽装しています。
融資先の企業経営者らは「別のヤミ金業者から至誠光魂寺を紹介された」などと説明しているということです。
闇金業者は裏で繋がっていて、一度お金を借りた人間から、グルになってお金を貸しあい骨の髄までしゃぶります。(ウシジマくんより)
警察では、この湯飲み茶碗などの物品代が事実上の利息に当たると判断し、摘発に踏み切りました。
この、宗教法人は、22年に佐賀県から認可を受けましたが登記上の住所に事務所はない事が分かっています。
あくまで私の推測ですが、暴力団関係者が闇金業をするために、この宗教法人を立ち上げたのではないかと思います。