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要点をざっくり
- 交通事故の治療費名目で保険会社から保険金をだまし取ったとして、神戸地検が詐欺などの罪で、神戸市立中学校教諭の夫(34)と大阪府摂津市立中学校教諭の妻(33)、整骨院経営の男(34)を在宅起訴していたことが分かりました。
- 教師が夫婦で保険金詐欺とは。
- さらに、この二人の教師夫婦は休職中とのことです。
中学校教諭夫婦が在宅起訴
神戸新聞NEXTによると、交通事故の治療費名目で保険会社から保険金をだまし取ったとして、神戸地検が詐欺などの罪で、神戸市立中学校教諭の夫(34)と大阪府摂津市立中学校教諭の妻(33)、整骨院経営の男(34)を在宅起訴していたことが8日、分かりました。
起訴は昨年12月28日付です。
起訴状によりますと、この3被告は共謀して昨年5月、妻が乗用車に乗車中に遭った交通事故を巡り、整骨院の男が経営する神戸市灘区の整骨院で治療をしたとする虚偽の施術証明書や、施術のため通院したとする虚偽の交通費明細書などを保険会社へ提出し、計約9万3千円をだまし取ったなどとされています。
神戸、摂津両市の教育委員会によると、夫婦は休職中で、両市教委がそれぞれ行った聞き取りに対し、関与を認めたということです。
この休職が、交通事故によるものなのか、詐欺が発覚したからなのかは、はっきり分かりません。
一部の整骨院の架空請求はよくあること
整骨院に交通事故で通院する場合、保険会社は、診断書ではなく、「施術証明書」というのを整骨院から取り付けます。
基本的に、病院への通院も整骨院も通院の日数としては同じ計算をします。
病院と違い、整骨院は夜遅くまでやっていたり、薬が出せないため通院回数が多くなる傾向があります。
そうすると、交通事故の被害者には、より多くの慰謝料と休業損害と通院交通費が発生します。
また、整骨院にしてみれば、保険会社は健康保険の適用なしで100%確実に治療費を支払ってくれるので、交通事故で怪我をした人をできるだけ多く受け入れたいのです。
ごく一部の整骨院ですが、度々この通院の架空請求をしてブラックリストに載っている整骨院があります。
おそらく、この整骨院の架空請求は今回だけではなく何回もしているうちの1つでしょう。
私の担当した教頭夫婦
私は元損害保険会社の社員で、同じような教頭夫婦の詐欺事件を担当したことがあります。
夫婦二人とも教頭で、事故にあったのは奥さんの教頭先生の方でした。
この教頭夫婦が強烈で、事故の担当者が合わないので変えてくれといわれて呼び出されました。
クレームに対応してその家に行くと、かなりの大きな家で(2人で2000万円は給料があります)奥様は、毛布にくるまってボロボロの格好で出てきて、どれほど自分の症状が重いか、それなのに教頭という重責にあるため学校も休めない。
あなたたちのような民間の、学歴のいらない簡単な仕事と違うという主張を夫婦で繰りかえしていました。
事故の担当者は、それを理解していない、学歴もないというものでした。
学歴?と思いましたが、あまりに理不尽な要求のため弁護士で対応させてもらうことをいったところ、「弁護士」という言葉が嬉しかったらしく、その人の学歴はあるんだろうなとか2人で話して喜んでいました。
(普通は嫌がるのですが)
結局常識がない
この教頭先生は、学校に行くのもままならないはずなのに、毎日のように片道1時間以上もかけて通院していました。
往復2時間、学校を抜け出して?
それも、わざわざ「地下鉄とバス」を使って。
その請求が3ヶ月くらい続き、私が裏を取り弁護士から通知をしたところ通院をピタッとやめました。
この教頭先生は、地下鉄とバスではなく、自家用車で、片道15分くらいの整骨院に、学校を内緒で抜け出して毎日のように通っていました。
(整骨院の先生も呆れていました)
自分は被害者であり、聖職者でめんどくさい仕事をしてやっているという気持ちがさせたことだと思いますが、特にこれが詐欺に当たるという認識もなかったようです。
おそらく、今回の神戸市の教師夫婦も詐欺をしているという自覚はなかった可能性があります。
最近保険金詐欺が増えている理由
九州や大阪で大きな保険金詐欺があったり、最近自動車保険に関する保険金詐欺が増えているように思います。
基本的に損害保険会社の社員は、こういう不正請求に関わりたくないという傾向があります。
それどころか、こういう不正請求や詐欺に対しても目をつぶって支払っている社員がほとんどです。
なぜなら、詐欺に対して保険金を支払っても何の罰則もなく、支払わなかったときのリスクと労力の方が大きいからです。
下手に「詐欺」ではとかいうと、上司から嫌な顔をされるのが現実です。
それで保険金詐欺が平然とまかり通り、最終的にどこか良心的な社員のいる保険会社が詐欺として警察に告発するか、警察からいわれ渋々対応します。
お客様から預かっている保険料を、みすみす詐欺だとわかっていて支払っている保険会社の実態を金融庁はきちんと把握しているのでしょうか。
現在、保険金詐欺が増えている背景には、この損害保険会社の対応が大きく影響していると思われます。