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要点をざっくり
- 我々の世代であれば元巨人軍の投手である江川卓は、野球界では「怪物」として有名です。
- その怪物江川卓が、高校時代に無名の高校球児にホームランを打たれています。
- そのホームランを打った石渕国博氏のホームランの真実がTBSの「消えた天才」で明らかにされました。
怪物江川伝説
作新学院の江川卓といえば高校時代、公式戦44試合でノーヒットノーラン9回、そのうち完全試合2回と高校球界で「怪物」として名高い存在でした。
その江川が最もいい球を投げていたのは、プロでも大学でもなく高校時代であったのは有名な話です。
プロでも打てなかった球でありそれよりもさらにいい高校時代の球をホームランしたというのですから打った人間は天才です。
掛布氏も話していましたが、大谷投手のボールは速いけれど当たりますが、江川氏のボールにはバッターはバットがかすりもしませんでした。
当時のバッターは、江川氏のボールはピンポン球のように直前で浮き上がったと話していました。
ホームランを打った男のその後
この絶好時の球をホームランしたという人物が、石渕国博氏です。
このホームラン事件は、宮崎で行われた作新学院の練習試合で起こりました。
しかし練習試合とはいえ当時の江川氏はスターですから、5000人の観客が集まったそうです。
この時に投げた渾身のストレートを石渕氏は引っ張って左翼席にホームランをしたのです。
イメージ図
そして、このホームランで石渕氏はプロ野球球団の広島に指名され、社会人野球に就職が決まっていたにも関わらず、それをけってプロ野球に進みます。
しかし、入団から3年で一度も1軍の試合に出ることなく引退しました。
ホームランの真実
TBSの取材班がこの石渕氏に引退後初めて接触し、あのホームランの真実を聞くことに成功しました。
石渕氏がバッターボックスに立った時に、作新学院の守備はみんな内野にいたそうです。
あの江川が外野にボールを運ばれることがないとの絶対的な自信からのようですが、それに石渕氏はかなり頭にきたそうです。
そうはいっても、あの江川氏のボールを自分が打てるわけもなく、ただバットを力まず振ったところに「偶然」ボールがそこにきたというのがホームランの真相だそうです。
でも本当にその偶然であの江川氏からホームランを打っていますから、すごい「偶然」ですね。
石渕氏はプロ野球に入ったことについて後悔していないと語っていましたから、この「偶然」に狂わされた人生に悔いがなくてよかったです。