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昨日の宮根さんのMr.サンデーで「川口高齢夫婦殺害事件」の特集をやっていました。
私は孫がお金欲しさで祖父母を殺した残忍な事件として記憶していたのですが、事実はかなり違うようです。
川口高齢夫婦殺害事件とは
2014年3月29日午後0時50分ごろに埼玉県川口市西川口2丁目のアパートで、当時17歳の孫がお金欲しさに祖父母を殺害し、キャッシュカード1万数千円を引きだし、強盗殺人の罪で15年の懲役刑になりました。
この内容については、毎日新聞記者・山寺香が書いた『誰もボクを見ていない』(ポプラ社)に載っています。
(私は読んだことがありませんが)
当時私は遊ぶお金欲しさに高校生の孫が祖父母まで殺したのかとショックを受けましたが、内容はかなり違っていたようです。
少年の境遇
この少年は、母親がかなりひどい人物であり小学校にも行かせてもらえませんでした。
それどころか、職も住所も転々としており「居所不明児童」となります。
少年の境遇をまとめると
・父母は少年の就学前に別居して離婚。
・少年は母親に引き取られるが、母親がホストクラブに通いづめとなる。
少年は毎晩のように家に来るホストに付き合わされお酒も飲まされ(馬を壊さないため)、小学4年生からは学校に通わなくなった。
・母親はネグレグトであり1ヶ月以上も家をあけ、家に帰る条件として少年が貯めたなけなしのお金をATMで振り込ませる。
しかし、お金が足りないという理由で家に帰らない。
・母親は再婚して元ホストの義父と母親と3人で静岡に暮らして、2〜3カ月間は静岡の小学校に通う。
しかし、住民票を残したまま埼玉に戻って小学5年生からは学校に通わない日々となる。
・日雇い仕事をしていた義父は、収入がある日は3人でホテルに宿泊。
仕事がない日は、ラブホテルの敷地内にテントを張ったり、公園で野宿をしていた。
これはラブホテルの経営者が証言していました。
また、少年はかなり礼儀正しかったとも言っていました。
・そんな生活の中、母親は妹を妊娠し生んでしまう。
(このとき少年はこの生活では無理だろうと思ったとのことです)
・この義父もろくでなしで、少年はこの義父が何か面白くないと殴られる虐待を受けていた。
・旅館で夫婦が働きだすが、両方とも仕事が続かずまたお金がなくなる。
・母親と義父の指示で、少年は親戚に金銭を電話で無心させられていた。
・塗装会社に就職した義父は会社の寮で暮らして、母親に給料の前借をさせられておりそれを母親がゲームセンターなどで使っていた。
・義父はこれ以上はこの生活ができないといって妹も残し失踪。
16歳の少年は義父の代わりに借金を背負いながら働き、母親は給料の前借りを強要しこれ以上は前借ができない状態になり、祖父母の殺害を思いつく。
少年の祖父母殺害の動機
この少年はかなり頭がよく、刑務所から送られてきたいる手紙も丁寧に書かれていました。
この少年は学校にまともに通わせてもらえていないので、友達がいません。
少年には母親が世界のすべてであり、また妹の父親代わりでもありました。
この少年は、母親に家賃の振込み日だから今祖父母の家にはその家賃代があるといわれ、「たった数万円のためにじいちゃんばあちゃんを殺すのか?」と思いながら、祖父母を殺してしまったようです。
この母親の命令は、どんなに理不尽でも「絶対」だったんです。
その母親は強盗と窃盗罪で懲役4年6月の禁固刑になりました。
裁判では一貫して、自分は息子に祖父母を殺せなどと言っていない、勝手にやったという主張を行ったようです。
それで結局、殺人罪には問えませんでした。
義父へのインタビュー
この義父の居所を捕まえて、Mr.サンデーではインタビューしていました。
この義父はこの母親を
「あいつはクソ、俺からみてもクソだよ」といって非難していました。
最後にあなたは悪いと思っていないのか?少年に会いに行かないのか?といわれ
「俺も悪いと思ってるよ。会いに行くって言ってるだろう。会うよ」
と話していましたが、おそらく会いには行かないでしょう。
私がテレビで見た限り、この人間も母親と同類です。
母親の仰天の要求
Mr.サンデーは刑務所にいる母親からも証言をとりたくて、刑務所に手紙を書き返事が返ってきました。
その手紙の中身は
「どうせ全てわたしが悪いんでしょう。みんなそういう。(自分は悪くないのに)。あれは全て息子がやったこと。証言するにもタダではできない」
と刑務所への「差し入れリスト」を書いてきていました。
ちらっとみえましたが、芸能人の写真集やCDでした。
この母親にも精神的障害があったのではないかという記事もありましたが、どっちみち「私は悪くない」という主張と身勝手さは変わっていません。
刑務所をでて、妹を引き取ることだけは避けさせたいですね。