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この事件の要点をざっくりいうと
- 自分の母親の遺体を自宅に放置した疑いで、49歳の男が逮捕されました。
- この男性は、40年間引きこもりを続けていました。
- 男性は、他人とほとんど会話ができず、取り調べは筆談で行われているということです。
40年間引きこもりの末母親の遺体を放置
無職の中元勝容疑者(49)は、10月中旬、神奈川・横浜市金沢区の自宅に、同居していた76歳の母親・佳代子さんの遺体を放置した疑いで逮捕されました。
参照:FNNニュース
中元容疑者は、およそ40年間にわたって自宅に引きこもり、他人とほとんど会話ができない状態で、取り調べは筆談で行われているということです。
自宅を訪ねてきた妹が遺体を発見し、事件が発覚したもので、調べに対して、中元容疑者は、「妹が来てくれると思っていた」と供述しています。
母親は病死したが何もできず
中本容疑者は、ほとんど外に出ていなかったようで、近所の住民は、
「話したこともないし、全然知らない」
「息子がいたの。」
「(中元容疑者の母親を)最近は見てなかった」
と話しています。
母の佳代子さんに大きな外傷などはなく、死因は病死とみられています。
参照:FNNニュース
中元容疑者の自宅
中元容疑者は、台所で倒れた佳代子さんを部屋に移しましたが、そのまま放置。
何もできなかったため、妹がきてくれるのを待っていたと見られています。
中高年の引きこもりがやっと社会問題化
40年近く引きこもっていたということは、10歳前後から社会と隔絶されていたと思われます。
その頃から話す相手は、母か妹。
当然社会性は育たず、他人と話せなくなることは容易に想像できます。
政府が今年初めて「中高年世代のひきこもり」について、実態調査に乗り出すと発表しました。
早ければ今年の秋から、40代~60歳前後までの約5千人の中高年ひきこもり者とその家族を訪問し、原因や期間などの聞き取り調査を実施するということです。
「若者のひきこもりは、親や学校、地域が把握していることもあってか、まだ社会とのつながりがある。問題は、何十年も引きこもったまま、親が高齢になり自分も年を取って、家ごと社会から断絶されるパターンです。もはや社会復帰の可能性はゼロで、ひきこもりの人そのものが社会から”いないこと”にされる。すでにそういう人が多く存在していて、今更調査に乗り出したところで、その実態を正確に調査できるのか疑問です」
NEWSポストセブンから引用
この記事によると、中元容疑者のように30年以上も引きこもりを続けている中高年がおり、親の高齢化でどうしようもなくなっている実態が他にもあるようです。
今まで、若年層の引きこもりが取り上げられてきましたが、今回の事件のように中高年の引きこもりは、すでに取り返しがつかない悲惨な状態を迎えているようです。