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要点をざっくり
- 「森友学園」問題で、今月7日に自殺した近畿財務局の男性職員が、残したメモの内容をNHKが報道しています。
- この、メモにはやはり「上からの指示で文書を書き換えさせられた」とか、「自分1人の責任にされてしまう」などと書かれていたようです。
- 財務省は、全ての責任を、この自殺した職員にかぶせようとしていたと思われます。
責任をノンキャリアに押し付ける財務省
今回亡くなった、近畿財務局の職員Aさんは夜間大学を出たいわゆるノンキャリアで、佐川前国税庁長官は東大出のキャリアです。
財務省といえば、東大生も憧れるお役所の頂点です。
その中で、今回の書き換えを実行させられていたのは、このノンキャリアのAさんだったようです。
上はひとこと「書き換えろ」と言えば済みますが、それを実際にやらされる人間はたまりません。
そして、上の人間は最終的には実行した人間に全て罪を被せれば自分たちは安泰という構造です。
残されたメモの内容
今月7日に自殺した近畿財務局の職員Aさんが、残したメモの内容がNHKが行った関係者への取材でわかりました。
このメモは数枚にわたって書かれていて、
『決裁文書の調書の部分が詳しすぎると言われ上司に書き直させられた』
『勝手にやったのではなく財務省からの指示があった』
『このままでは自分1人の責任にされてしまう』
『冷たい』
などという趣旨の内容が書かれていたということです。
このほかにも、去年2月以降の国会で財務省側が学園との交渉記録は廃棄したとする答弁をしていることについて、『資料は残しているはず』で『ないことはありえない』などと、財務署の答弁に対する疑問を投げかける内容も書かれていたようです。
やはり、財務省も近畿財務局もこの亡くなったAさんが個人的にやったこととして、責任を押し付ける気だったようです。
さらに続いていた財務省の「嘘」
3月6日 財務省は事実関係の調査結果を国会に報告するとしていましたが、財務省の担当者は捜査を理由に文書は直ちに確認できない状況だと説明。
3月8日 書き換えられたあとの決裁文書の写しだけを国会に提出し、「近畿財務局に残っている文書の写しはこれがすべてだ」と説明。
その後 3月5日の時点で、国土交通省から書き換え前の文書の写しの提供を受けていたのに8日の報告ではその存在を伏せていたことがわかっています。
3月12日 財務省は14件の決裁文書に書き換えがあったことを認め、佐川氏の国会答弁と整合性を取るため、本省の理財局が主導して行ったことを明らかにしました。
ここまで役所が事実を「隠蔽」し、「嘘」をついている国会答弁は前代未聞ではないでしょうか。
役人というのは、本当に保身の化け物だと思い知らされます。
「佐川が、佐川が、佐川が」
政府側は、この森友学園の文書の改ざんに関与していないと主張しています。
あくまでも財務省の「理財局の一部の職員」が佐川宣寿前国税庁長官(当時、理財局長)の答弁に合わせて改ざんしたものだとしています。
もともと佐川氏の答弁を「冴えているね」と絶賛していたのは安倍首相で、「極めて有能」と持ち上げていたのは麻生氏です。
それが今となっては、すべての責任は佐川前国税庁長官であるといっています。
麻生財務相と安倍首相は責任を問われると「佐川が、佐川が、佐川が」とすべて佐川氏が勝手にやったことと責任を押し付けています。
今回の朝日新聞の文書改ざんのスクープは、この文書書き換えに対して、あまりにも財務省が情けなさすぎると感じた単数か複数の財務官僚がリークしたのではないかとも推測されています。
佐川前国政庁長官の責任は免れないと思いますが、最後くらいはきちんと真実を公表し元財務省官僚の気概を見せて欲しいと思います。