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要点をざっくり
- ソニー生命の高松支社の元所長が、1億3521万円の詐欺を行いその後自主退職しています。
- なんとこの詐欺をした所長は、詐欺発覚後も会社に出勤し働いていたという事実が判明しました。
- 会社での「いんぺい」の失敗とも言われています。
- 私は元損害保険会社の社員ですが、懲戒解雇ではありません・・・念のため。
今回の詐欺の概要
40代男性のソニー生命の元社員が、少なくとも顧客6人から計1億3521万円を2009~14年に生命保険などを契約したように装い、保険料などをだまし取ったという事件です。
普通の保険会社は1年に1回、各支社への「社内検査」が実施されます。
ソニー生命という会社は、検査自体をやっていないか、かなりいい加減に検査をやっていたと思われます。
よくある、コンプライアンスをないがしろにして営業成績に偏りすぎた結果です。
この社員は、高松支社の第一営業所長として、16人のライフプランナーを抱える立場だったそうです。
おそらく、役職からいくと年収2000万円以上はあったと思われます。
詐欺発覚後も会社で働かせた
ソニー生命では4月に契約者からの苦情で詐欺が発覚したのですが、5月末にこの社員が「自主退職」するまでの間会社に出勤させたうえ仕事までさせていたというのです。
この間に「証拠隠滅」の可能性もありますし、通常は不祥事を起こした社員は自宅待機をさせ外で会うか、会社内の会議室等での面談になります。
うがった見方をすれば、出勤している間に「うまく証拠を隠せよ」という上からの指示があったとも考えられなくはありません。
その隠蔽工作をある程度うまくやったご褒美が、「自主退職」なのではないでしょうか。
ソニー生命の遅すぎる対応
この詐欺のことをHPで発表したのが7月18日で、契約者にお詫びの手紙をだしたのが9月下旬です。
調査に3ヶ月かかりその間は何もせずHPだけの発表、約半年後にお詫びの手紙というのは普通の保険会社の対応ではありえません。
保険会社に限らず、普通の会社でもまずないでしょう。
不祥事の場合の対応マニュアルもあるでしょうから、これは社内で内密に処理するための戦術だったのではないでしょうか?
そして、1億円以上詐欺をしてお金も返してない人間に退職金を払ってやめていただくとは・・・・。
このお金もすべて契約者が支払った保険料です。
それに警察に相談中とありましたが、普通はこれだけの額なら弁護士経由で警察に被害届けをだします。
まだ被害届を出してないということは、何か出せない理由があるのではないでしょうか??
お粗末すぎるHPの内容
「詐欺等の金融犯罪にご注意ください」
ソニー生命において、以下の金員を詐取する事案が発生しました
- ソニー生命の社員・代理店の募集人(またはこれらを名乗る者)が、保険料等の名目や、架空の投資話で金員を個人名義等の口座に振り込ませ詐取した。
- 当社の社内制度や社員向け商品等を名目とし、高配当をうたって社員自身への金員の拠出を誘引した。
出典:ソニー生命HPより
これはお客様に対するお詫びではなく、ソニー生命からお客様に対して注意を促している文章です。
また、ソニー生命も「被害者」であるかのような内容になっています。
この文章を読んで会社の管理が悪くて、社員が「お客様の支払った保険料」を詐欺したとは誰も思わないのではないでしょうか?
また、「当社では、2017年9月以降、担当者が現金・小切手をお預かりする取扱を廃止しています。」とも書いています。
今時、現金を預かっている保険会社の社員なんかいませんよ。
それを詐害が発覚し5ヶ月も経過した、2017年8月までやっていたなんて信じられません。
金融庁がソニー生命に入ったようですが、厳格な処分をしていただかないとまた他の保険会社も含め同じようなことを繰り返すと思います。
昨年9月の詐欺も発覚
昨年9月には、広島県内の元男性社員が同様の手口で複数の顧客から現金数千万円をだまし取っていたことも判明しました。
この広島県内の男性社員は今年1月に逮捕されています。
金融庁は、一連の事件を受けて昨年秋から検査官をソニー生命に派遣し、同社の完全歩合制の給与形態に問題がなかったかなど、検査を行っています。
5月末までに検査を終え、問題があると判断した場合は業務改善命令を出す予定とのことです。
これは氷山の一角なので、業務改善命令が出されるような気がします。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
この元所長、1億円と退職金で今頃遊びまくっているのではないでしょうか。