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要点をざっくり
- 滋賀監禁事件で渡辺彰宏さん(31)が亡くなった事件で、井坪政容疑者(29)らの鬼畜以下の所業が新たに判明しています。
- 井坪容疑者は一度食べたものを吐き出し、無理やり渡辺さんの口に入れたり、腐敗して強烈な臭いがする食べ物を口に押し込んだりしたとのことです。
- グループで渡辺さんの監禁の様子をインターネット電話サービス「スカイプ」を使って中継しながら監視をしていたことも28日に分かりました。
これまでの事件の概要をまとめると
滋賀県近江八幡市や堺市の民家に堺市堺区の無職、渡辺彰宏さん=当時(31)=を監禁し衰弱死させたとして堺市のアルバイト、井坪政容疑者(29)ら男女5人が逮捕されています。
その後、ムエタイジム 経営者の坂本厚樹容疑者(39)が、自分の経営するジムで糞尿が入ったペットボトルの中身を無理やり飲ませたとして逮捕されています。
渡辺さんへのリンチ
渡辺さんは約5年前、ムエタイジムに入会し、そこで知り合った井坪容疑者らのグループと、約2年ぐらい前から一緒に行動するようになったとのことです。
「渡辺さんはジムのHPで『打たれ強さはターミネーター級』と紹介されていたように、ボコられ役のようです。
そのグループ内でも、運転手兼パシリの役回りでした。
1年ぐらい前から井坪容疑者と一緒に生活していましたが、その頃、金銭トラブルなどをきっかけに日常的に暴力を振るわれるようになったとのことです。
殴る蹴るは当然、縄跳びの縄で体をシバかれたり、木刀で殴られたりしていた上、井坪容疑者はサバイバルゲームが好きで、渡辺さんに向けて至近距離で電動のエアガンを何発も撃ったこともあったようです。
また、井坪容疑者は一度食べたものを吐き出し、無理やり渡辺さんの口に入れたり、腐敗して強烈な臭いがする食べ物を口に押し込んだりしていました。
逮捕された女2人もリンチに加わっています。
このグループは、渡辺さんが逃げられないように、素っ裸にして暴行し、渡辺さんが怯えている姿を見てゲラゲラ笑っていたというのですから、人間のすることではないと捜査関係者は語っています。
全裸にオムツでスカイプで監視
グループが渡辺さんの監禁の様子をインターネット電話サービス「スカイプ」を使って中継しながら監視をしていたことが28日わかりました。
渡辺さんを支配下に置いた状態は約1年にわたり続いていたとみられます。
捜査関係者によると、5人は昨年9月ごろから渡辺さんを監禁。堺市内から近江八幡市内の民家に渡辺さんを移動させた後は、渡辺さんの様子を「スカイプ」で仲間に中継しており、堺市内の民家では、部屋に監視カメラを設置していたとのことです。
渡辺さんは運転手役など使い走りにさせられていたといい、監禁中は全裸におむつを履かされ、十分な食事を与えられないまま、吐いたものや排泄(はいせつ)物を食べさせられたり、殴る蹴るなどの暴行を加えられていたといいます。
汚物リンチ5人組と「糞尿強要」ムエタイジム経営者
この渡辺さんへの暴行監禁容疑で逮捕されたのは、堺市堺区の無職・萩原真一(39)、アルバイト・井坪政(29)、無職・飯星飛香(29)、同・宮崎佑佳(24)、大阪市住之江区の同・亀井徳嗣(21)の男女5容疑者です。
10日には渡辺さんに糞尿を無理やり飲ませたとして、堺市西区のムエタイジム経営者の坂本厚樹容疑者が強要容疑で逮捕されました。
大津地検は28日、監禁と殺人の罪で、井坪政ら5容疑者全員を起訴しました。
捜査関係者によると宮崎被告は否認から一転して罪を認め、井坪被告のみ否認しています。
一方地検は同日、渡辺さんに汚物を無理やり飲ませたとして強要の疑いで逮捕された厚樹容疑者を処分保留で釈放しました。
(処分保留とは刑事手続が進められていく上で、期間内に十分な証拠が揃わなかった場合、起訴・不起訴の判断を保留して釈放させることです。)
坂本容疑者は逮捕当時は否認していましたが、一転して罪を認めているということです。
このジムは、前にもリンチ事件があったと報じられています。
現在、もう1人監禁されていた男性が入院しており回復を待って事情を聞く予定です。