この記事を読むのに必要な時間は約 4 分です。
要点をざっくり
- 札幌・ススキノの風俗店から用心棒代を受け取ったとして、札幌中央署は14日、暴力団員ら2人を逮捕しました。
- この逮捕は、暴力団への用心棒代やみかじめ料の規制を強化した改正条例が昨年7月に施行されて以来、初の摘発となります。
- 警察は、2人の認否や店と2人のどちらから話を持ち掛けたかなど明らかにしていません。
暴力団員が用心棒代で逮捕
道暴力団排除推進条例違反の疑いで、札幌中央署は指定暴力団山口組系誠友会構成員、米坂栄治(46)「札幌市中央区南6西9」、無職・酒谷大樹(42)「同市北区屯田6の8」の両容疑者を逮捕しました。
暴力団への、用心棒代やみかじめ料の規制を強化した、「改正条例」が札幌市で昨年7月に施行されて以来、初の摘発となります。
この2人は、ススキノの風俗店の用心棒として働く見返りに、現金5万円を受け取った疑いがもたれています。
改正条例は、風俗店などが暴力団にみかじめ料などを支払うと、両者に1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科すものです。
改正前は暴力団側に違法行為がなく、店側がみかじめ料の支払いに同意していた場合は摘発できませんでした。
「 みかじめ料」って?
暴力団は「縄張り」と呼ばれる、自分たちの組の勢力範囲で資金活動などをしています。
この縄張り内で、飲食業、風俗営業等の営業を行いあるいは行おうとしている者に対して、その営業を認める対価、何かあった際の用心棒として、「ショバ代」などという名前でお金を要求し、この要求に応じた者に月々お金を支払わせます。
こういったお金のことを「みかじめ料」といい、暴力団にとっては、伝統的でしかも重要な資金源の一つとなっています。
この「みかじめ料」は明らかな暴力団の資金源なので、かなり前から払わないように警察でも指導しています。
なぜ「みかじめ料」を払うのか
みかじめ料の相場は、地域によって違いますが、だいたい月額約5万円くらいのようです。
月5万円も出すのなら、警備会社を雇うか警察に何かあれば通報すればすむことです。
では、なぜわざわざヤクザ等に頼るかといえば、警察に頼れない事情があるからです。
今は取り締まりが厳しいので、ヤクザから「みかじめ料」を強引に請求されたら警察にいえばすぐそのヤクザは逮捕されます。
しかし、今回のススキノの風俗店は、おそらく警察にはいえない「裏のサービス」をしていた店だと思われます。
こういう店は警察には頼れないため、おそらくヤクザにお金を払って用心棒をしてもらっていたのでしょう。
それで、この持ちつ持たれつの関係を絶つために、札幌では改正条例が施行されました。
今度は、頼んだ方と頼まれた方の両方とも逮捕できます。
昔のヤクザは、おしぼりを高額で店におろすとか、花代といって生花を店に飾って大金を取っていたのですが、これも「改正暴力団対策法」でかなり減っています。
それで「シノギ」のなくなった暴力団が、「覚醒剤」や他のものにも手を出してきています。
私は、こういう暴力団の「必要悪」的な部分を、早く排除すべきだと考えます。