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要点をざっくり
- 帯広市の女性職員が、150日以上も『ズル休み』をしていたことが明らかになりました。
- この「ズル休み」をしている間に不正に受け取った給与は、200万円ということです。
- そのずさんな手口と理由とは…
診断書を偽造してズル休み
帯広市はうその診断書をつくり度々不正に有給休暇をとっていたとして、
43歳の総務部の女性職員を2月28日付で懲戒免職処分にしたと発表しました。
女性職員は医療機関の診断書や領収書をコピーやスキャンして、2013年から150日分以上を偽造していたということです。
この診断書を偽造する行為は「私文書偽造」に当たります。
帯広市によりますと、女性職員の有給休暇の日数が突出していたことから上司が受診履歴などを照会し判明しました。
おそらくこれは普通の有給休暇ではなくて、診断書を偽造して「傷病休暇」を使っていたものと思われます。
女性職員はこの理由を、「体調が悪かったが、病院の受診料がもったいなかった」と話しているということです。
つまり、体調は悪いが病院に行くほどではないので休んだ・・・ということですね。
トホホな職員さんです。
帯広市は、女性職員が不正取得した約200万円の給与の返還を求めるとともに、返金されない場合、刑事告訴も検討していると話しています。
東京でもあった診断書偽造によるズル休み
昨年の11月には、医師の診断書を偽造して仕事をズル休みし、その間の給与約1400万円を詐取したとして、警視庁多摩中央署が、東京都多摩市役所の元職員の男(53)を、有印私文書偽造・同行使と詐欺の容疑で東京地検立川支部に書類送検しています。
捜査関係者によると、男は障害福祉課などに勤務していた2011年6月~15年3月の間、「抑うつ神経症」「頸椎(けいつい)捻挫」など、うその症状を記載した医師の診断書計約40通を偽造し、病気休暇と休職を繰り返したとのことです。
この期間の給与約2300万円のうち、不正に欠勤した日の給与やボーナスなど総額約1400万円をだまし取っていました。
民間企業では「傷病休暇」の場合上司が病院で立会い
これらの公務員の診断書偽造による「ズル休み」が横行している理由は、「傷病休暇」の場合に誰も病院に確認していないためだと思われます。
私も、前の会社で胆石をこじらせて入院したときに初めて「傷病休暇」というのを取得しました。
この「傷病休暇」を取る場合には、診断書とともに上司が立ち会うのが原則必要とのことで、わざわざお見舞いではなく「傷病休暇」が仮病でないか確認するために入院している病院まで立会いにきました。
この上司は、医師から、レントゲンやCTをみせられ説明を受けていましたが、病状にはあまり興味はなかったようです。
(要は休む必要があるかどうかの申請書を書くために、立ち会った事実が必要なだけです)
私の胆嚢からは胆汁を抜くたねの「管」が出ており、点滴スタンドから点滴をされていましたが、それをみただけではダメで医師から休まなければならないことを確認するのがルールだそうです。
確かに他の「うつ病」や「妊娠」で傷病休暇をもらっている社員の家や病院に対しても、月1回は上司が訪問して病状を確認していました。
人権も何もあったものではないのですが、休んで給料をもらうということはそういうことなんだろうなあと思っていましたが。
公務員は、それをやっていないとは・・・。
安易に「傷病休暇」がまかり通るはずです。
公務員の方が人道的ではありますが、やはり「傷病休暇」をとる職員に対しては、民間のように病院への上司の立会いをすべきだと考えます。