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要点をざっくり
- 森友問題で、今月7日に自殺した「赤木俊夫上席国有財産管理官」の前に、すでに1月に財務省国有財産係長の「青木隆(あおきたかし)」氏が自殺していたことが判明しました。(名前はNetIB-News引用)
- さらに、新たに財務省の女性職員が、自殺未遂をしていたらしいという情報が流れました。
- 政府は、青木氏も女性職員も「書類改ざん」への関与について否定しています。
財務省の異常事態
森友学園の国有地払い下げを巡る決裁文書改ざん問題で、財務省職員の自殺の情報が相次いでいます。
今月7日に神戸市内の自宅で、メモを残し自殺した近畿財務局勤務の赤木俊夫(あかぎとしお)氏。
このメモには「上からの指示で文書を書き換えさせられた」「自分1人の責任にされてしまう」という趣旨の内容が残されていました。
これで、改ざんは本省理財局の指示だった可能性が濃厚となりました。
さらに、本省理財局国有財産業務課係長の青木隆(あおきたかし)氏も1月29日に、東京都世田谷区の職員寮で首をつって自殺していたことが判明しました。
森友文書改ざん問題に揺れる財務省が激震です。今月、近畿財務局の男性職員が自殺していたことが発覚して衝撃が走ったばかりですが、本省理財局でも自殺者が出ていたというのです。記事は本日の2面に掲載。日刊ゲンダイは駅売店かコンビニでお求めください。 pic.twitter.com/2m9wm1ohAu
— 日刊ゲンダイ (@nikkan_gendai) 2018年3月16日
太田充理財局長は参院予算委で、青木氏の自殺の報道を認めた上で「森友(学園の)事案と関係なく、書き換えに一切関係していない」と述べています。
財務省は否定していますが、一方では青木氏が佐川宣寿元理財局長の国会答弁を作成する仕事に関係していたという情報もあります。
3人目の犠牲者
この職員ふたりの自殺だけではなく、3月16日には理財局勤務の女性職員Cさんが「自殺未遂していた」という情報が流れたのです。
Cさんは2月に失踪し行方不明となりましたが、その後「自殺未遂」をしていたとみられています。
森友問題との関連は現時点では薄いですが、職員の生死にまつわる話が、この短期間にこれほど出回る時点で「異常事態」と言わざるを得ません。
今回の森友問題について、書類の改ざんと隠蔽に、理財局の職員がみな疲弊しきっていたのかもしれません。
結局、責任は下流職員へ
この森友問題は、かつて起きた「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」と構造が似ており、この時は舞台となった旧大蔵省銀行局の職員ら関係者3人が自殺に追い込まれました。
「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」では、旧大蔵省の役人への過剰接待が問題となり、財政・金融分野に大きな影響力を持っていた旧大蔵省の解体論が加速し、金融行政を担う金融庁と、財政を担当する財務省に分かれました。
国会の集中審議では、安倍首相は「行政府の長として責任を痛感しております。国民のみなさまにお詫びを申し上げたい。私や妻が関わったことにならないのは明らか」、麻生副総理兼財務相は「なんで書き換えをしたのか理解できない」などと自分たちの責任について全く認めようとしません。
上は命令するだけで、手を汚さないのでそれほど精神的には追い込まれません。
しかし、それを実行させられる(私のような)下級職員は、自分のモラルと組織の冷たさと戦いながらそれを仕事だと思い嫌々実行します。
そのストレスたるや、想像を絶するでしょう。
このまま、財務省の職員に全ての責任をなすりつけ、黒幕が逃げ切るということだけは避けて欲しいと切に願います。