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要点をざっくり
- 日本年金機構がデータ入力を委託した東京都内の会社が契約に反して業務を再委託していた問題で、機構は6日、札幌市内の会社でも再委託が見つかったと発表しました。
- 業務を再委託していたのは、札幌市に本社のある情報処理会社「恵和ビジネス」です。
- 国民年金の保険料の免除に必要な申請書など約53万6千人分のデータを別の会社に渡していたことが分かりました。
恵和ビジネスも入力業務を再委託
日本年金機構は6日、年金関連の申請書のデータ入力を委託した、情報処理会社の「恵和ビジネス」も業務の再委託をしていたと発表しました。
機構は、契約に違反し仙台市内の別業者に約53万6千人分の入力を再委託していたとしています。
所得控除手続きに関するデータ入力が中国企業に再委託された問題で、機構が他の委託業者へも特別監査を行って発覚したということです。
恵和ビジネスは札幌市や仙台市にある事務センターから昨年8月、各種届け出書の入力作業を計約2億8千万円で委託されました。
仙台のセンターからは約1億7千万円分を委託され、このうち保険料納付の免除や猶予の申請書約53万6千件の入力を別業者に再委託していました。
機構は、これまで厚生年金の加入に必要な届け出書など17種類のデータ入力を委託しましたが、恵和ビジネスは保険料の計算の基礎となる算定基礎届など3種類を仙台市の会社に再委託していました。
この申請書には生年月日や氏名、前年所得などの個人情報が記載されているとのことです。
再委託先も検査
機構は4日に違反を把握し、同社への委託を5日に停止しました。
再委託先にも監査を行い、情報流出は確認されなかったと発表しました。
恵和ビジネスの担当者は、違反した理由などについて「現時点では答えられない」とコメントしています。
SAY企画の中国への業務再委託も問題を受けて、機構は昨年度に委託契約を結んだ119業者の作業状況を調べており、今回の違反はその一環で発覚しました。
今後さらに違反が見つかる可能性もあります。
恵和ビジネスとは
株式会社 恵和ビジネス
札幌市中央区南2条西12丁目324−1
従業員数 275名
出典:恵和ビジネスHP
『ISO9001/ISO27001の認証』も取得しており、監査役も2人います。
これだけ見ると、とてもしっかりした会社にみえます。
業務内容は、印刷事業、ビジネスフォーム印刷、データ入力、システム開発、情報処理アウトソーシングのようです。
しかし、この会社「不正な物品の持ち出しの防止システム」についても業務にしています。
今回は、個人情報だから物品に当たらないとも言えますが。
出典:恵和ビジネスHP
それに「大量のデータを迅速に処理する仕組みの最適化の提案」も行っています。
それにもかかわらず、契約違反の「業務の再委託」をしているとは。
出典:恵和ビジネスHP
他の会社の個人情報も、再委託をしている可能性が否定できません。
この会社自体の業務についても、調査が必要だと思われます。
この年金問題の原因は
日本年金機構の管理のずさんさが、今回の年金の個人情報の再委託問題を産んでいます。
だからといって、業務の再委託をしていた業者を擁護するつもりはありません。
「消えた年金」がグレーなままうやむやになり、社会保険庁が日本年金機構に名前を変えただけで職員のほとんどが日本年金機構に移りました。
そして、体質もそのまま受け継がれています。
民間の会社は、「改正個人情報保護法」にのっとり、個人情報の再委託についても委託先を検査していますし義務化しています。
それを怠っていた責任は全て日本年金機構にあります。
さらにいえば、高齢者の年金を減らし、我々の年金の受取り年齢を引き上げておきながら、これらのミスのフォローや再入力にも年金が使われます。
もういい加減にして欲しいというのが、正直な思いです。