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要点をざっくり
- 北海道ではヒグマの出没が相次いで警戒体制が強まっています。
- 富良野では「ヒグマのおやつ」というブランドスイカが、ヒグマの被害に会いました。
- ヒグマは、本当にこのスイカが大好物のようです。
「ヒグマのおやつ」がヒグマに食べられる
富良野署によりますと、5日午前9時ごろ、農業法人「天間農産本舗」の天間幸博社長が市内山部西21線の畑で、小玉スイカ「ヒグマのおやつ」10玉ほどが食い荒らされているのを見つけました。
参照:HTBニュース
所有者が異なる隣の畑と合わせると、被害は15玉にのぼります。
同署が調べたところ、畑に子グマとみられる長さ12センチの足跡がありました。
「ヒグマのおやつ」は、あと1週間で収穫だったということです。
この「ヒグマのおやつ」は小ぶりで、シャリシャリとした食感と甘さが人気です。
「ヒグマのごちそう」2玉も
同法人が6日午後に見回りしたところ、大玉スイカ「ヒグマのごちそう」2玉も食べられているのが判明しました。
スイカで小玉の方が「ヒグマのおやつ」で、大玉が「ヒグマのごちそう」というブランド名です。
「ヒグマのおやつ」は小玉のため、そのまま冷蔵庫に入れられるサイズだそうです。
参照:HTBニュース
被害時期は不明で、畑は山から離れており、電気柵を設けていませんでした。
農家では、味を占めたクマがまた食べに来るかもしれないので、今まで以上に警戒し、これ以上被害が続くようなら電気柵の設置も検討するということです。
「ヒグマのおやつ」と「ヒグマのごちそう」とは
『ヒグマのおやつ』と『ヒグマのごちそう』は天間農産本舗が作っている、富良野産のスイカです。
参照:天間農産本舗HP
元々稲作農家だった天間さんがスイカ生産に乗り出したのは昭和45年ごろから本格化した国の減反政策がきっかけ。土地自体が石の混じった石礫(せきれき)地で水はけが良すぎて水田に適さない。しかも山部地区は傾斜地にあり日照の関係で昼は暑く夜は極端に寒い土地でした。しかし、稲作には向いていない土地でもスイカには好都合な土地です。水はけが良い事はスイカ栽培に向いている。しかも、昼と夜の温度差が大きいため糖度が高くなります。
逆転の発想から生まれたスイカは評判となり道外にも販路を広げ年間2~3万ケースを出荷するようになりました。
天間農産本舗HPから引用
参照:天間農産本舗HP
この「ヒグマのごちそう」と「ヒグマのおやつ」の名前の由来は、雑食性のクマはスイカも大好物で、山を降りてきて食べることがあることからきているものだそうです。
参照:NNNニュース
島牧村の住宅街に出たヒグマ
富良野の夏が非常に暑く、冬が死ぬほど寒いという気温の温暖差が、糖度の高いこのスイカを生み出したようです。
クマがこのスイカが大好物のため、今回実際に被害にあってしまいました。
参照:HTBニュース
皮だけ残してキレイに食べられています。
(それにしてもキレイな食べ方です)
それだけ美味しいスイカですが、やはりクマに食べさせるわけにはいきません。
農家にとっては死活問題です。
今後も、このスイカを狙ってヒグマが山を降りてこなければいいのですが。