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要点をざっくり
- 米ワシントン州のオリンピック半島沖で7月24日、死んだ我が子を連れて泳ぐ母シャチの姿が確認されました。
- 死んだ子供を連れて泳ぐその姿は8月8日にも確認され、16日間亡くなった子どもと一緒にいることが判明しました。
- シャチは非常に頭が良く、人間に近いとされています。
死んだ我が子と泳ぐシャチ
Newsweekでは、母シャチが16日間も死んだ我が子(娘)と泳いでいる姿が発見されたと報じています。
米ワシントン州のオリンピック半島沖で7月24日、死んだ我が子を連れて泳ぐ母シャチの姿が確認されました。
The orca known as J35 continues to carry her calf 16 days after she died. Could this sad story could be a catalyst for changing the way we think about other animals? #Tahlequah https://t.co/V58HdJvvPu
— Earth Island Journal (@earthislandjrnl) 2018年8月9日
この母シャチは、J35または「タレクア」と呼ばれています。
絶滅危惧種に指定されている「サザンレジデント・キラーホエールズ」の75頭いる群れのうちの1頭です。
死んだ我が子を連れて泳ぐその姿は8月8日にも確認され、この日で16日目になります。
シャチは知能が非常に高い
シャチは「海のギャング」と呼ばれる一方で、知能が高く人間には懐きやすく訓練への適応も高いので知られています。
シャチを主人公にした映画も何本か作られています。
現在、日本では「鴨川シーワールド」と「名古屋港水族館」で見ることができます。
参照:鴨川シーワールドHP
参照:名古屋港水族館HP
また、シャチは生まれた子供を大切にすることでも知られています。
母シャチが自分を責めるように泳ぐ
この母シャチの、タレクアは、子供の亡骸を頭にのせたりくわえたり押したりして運び、海に沈んでいくと潜って連れ帰るそうです。
子供の亡骸を16日間も離さない母シャチの悲嘆「もう見ていられない」と研究者 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
参照:Newsweek
子供の死後4日め。子供を押して泳ぐタレクア
タレクアは子供が死んでからほとんど餌も口にしていないようで、このままでは、群れにとって貴重な繁殖期の雌であるタレクアまで病気になると、科学者たちは胸がつぶれる思いで母シャチの悲しみようを見守っています。
科学者たちは、この母シャチの身体と心を一様に心配しています。
タレクアは自分が子供を殺してしまったと、自責の念にかられているようにも思えます。
シャチの群れでやっと生まれた子供
このタレクアの亡くなった娘は、この群れで3年ぶりに生まれた子供でした。
タレクアが産んだ娘は、一度は生まれてきて母と並んで泳ぎましたが、30分ほどで動かなくなってしまったとのことです。
子供のシャチは、生まれてから30分しか生きられませんでした。
Anne’s intro: From another poster:
— Noelle Seguin 🌹 (@poligirl) 2018年8月4日
“Tahlequah is the whale heard around the world.”
“As of Thursday Tahlequah (aka J-35) has kept her daughter’s dead body afloat, and paraded her several hundred kilometres around the… https://t.co/7JgLC0XII0
子供のシャチは、亡くなって2週間経っても冷たい海水のせいで、ほとんど腐っていないそうです。
逆にそれが痛ましいです。
この20年間で、この群れで生まれたシャチは75%の確率で亡くなっており、原因は主食のキングサーモンが絶滅しかけており、そのためのシャチたちの「栄養不足」だと学者は語っています。
世界中から「何ができる?」と質問が殺到
シャチのように、死んだ子供からなかなか離れない「哺乳類」は少なくないといいます。
しかし、2週間以上も亡くなった子供を離さない、タレクアの様な例は珍しいということです。
科学者や研究者たちは、現在シャチにビタミン剤を与えるなど、できることはやっていると語っています。
現在、世界中から、「シャチたちを救うために何ができる?」と質問が殺到しているということです。