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要点をざっくり
- 仙台市宮城野区の交番で宮城県警の清野裕彰巡査長(33)が刺殺された事件。
- 犯人は東北学院大の3年生の、相沢悠太容疑者(21)です。
- すでに事件から1週間以上経過していますが、動機の解明は難航しています。
警察官刺殺犯は東北学院大学3年生
今月19日、交番を襲い、警察官を刺殺し、別の警察官の発砲を受けて死亡した、同区新田2の6の27、大学生相沢悠太容疑者(21)。
参照:ANNニュース
相沢容疑者は市内にある東北学院大の3年生で、亡くなった清野(せいの)裕彰巡査長(33)とは面識はなく、これまで相沢容疑者が現場の東仙台交番を訪れた記録は確認されていないとのことです。
相沢容疑者の自宅は、交番の南東約650メートルにあります。
参照:FNNニュース
普通の一軒家です。
交番襲撃の目的が不明
相沢容疑者は「現金を拾った」と交番を訪れ、千円札を清野巡査長に差し出しました。
仙台東署東仙台交番内で清野巡査長と巡査部長が対応。
巡査部長が別の部屋に移動したところ、怒鳴り声と争うような音が聞こえたため戻ると、清野巡査長が血を流して倒れていたとのことです。
参照:FNNニュース
清野巡査長のそばに相沢容疑者も倒れていましたが、刃物とモデルガンのようなものを持って立ち上がったため、巡査部長が「刃物を捨てろ」と警告し、相沢容疑者に向けて1発発砲。
参照:FNNニュース
なお向かってきたため、さらに2発を発砲したということです。
参照:FNNニュース
3発とも銃弾が当たり、その1発が致命傷となり相沢容疑者は死亡しました。
ウエストポーチには、ハサミやカッターナイフが
相沢容疑者は交番を訪れた際、マスク姿で手袋をして、迷彩柄と灰色の2個のウエストポーチを身に着けていました。
清野巡査長を刺殺した時には、右手 にはエアガンと、左手に凶器とみられる刃渡り約20センチのナイフを所持していました。
また、このウエストポーチからは、黒色のエアガン一丁と小型ナイフ2本、ハサミ一丁、ドライバー数本が発見されています。
エアガンで撃たれた清野巡査長の顔は赤く腫れ上がり、10箇所以上の皮下出血がありました。
司法解剖の結果、死因は心臓損傷による失血死であることが判明しました。
当初とかなり違う犯人像
当初の相沢容疑者に対する報道は、動物が好きで学校では生物部に所属しており、
「おとなしいけれど、礼儀正しい子だった」
「信じられない」
というものでした。
しかし、週刊文春によると
「犯人が悠太だったと知ったのは、事件当日の夜のことでした。驚きはしましたが、正直なところ『確かに、あの子だったら・・・・』という気持ちもあります」
(相沢容疑者の母方の親族)
と取材に親族が答えています。
この、回答は何を意味しているのでしょう。
母は厳しい教育ママ
相沢容疑者の母親は厳しい教育ママとして知られており、父親はおとなしい人でいつも母親の影に隠れている状態だったとのことです。
相沢容疑者の家庭は、両親と弟の4人家族。
小さい頃から、相沢容疑者はこの気が強い母親に、叩かれながら「勉強しなさい」と金切り声で怒られながら勉強していたとのことです。
そして、相沢容疑者は、小学校の低学年からエアガンを持っていたそうです。
今回の件といい、「拳銃」に対する思い込みがかなり強いようです。
子供の頃の風変わりな儀式
相沢家と親交のある知人は、相沢容疑者が家に横1メートル、縦2メートル、深さ1.5メートルほどの穴を掘っていたと話しています。
相沢容疑者が、何日もかけて人が埋まるくらいのこの穴を掘ったとのことです。
その穴に水をはり、うっとり眺めていたそうです。
祖父母の庭にも、相沢容疑者が掘った穴が多数あるとのことです。
知人は、「当時からかなり変わった子」という印象を持っていたようです。
友達と話すときはいつも敬語
高校の同級生は、相沢容疑者は同級生と話すときはいつも「敬語」を使っていたと語っています。
名前を呼ぶと「ハイなんでしょう」と返事が返ってきたそうです。
声もすごく小さく、ロボットみたいな対応で、いじめにあっているわけではなく「陰キャラ」という感じで、昼食もいつも1人で母親が作った弁当を食べていたとのことです。
また、同級生たちは、相沢容疑者はコミュニケーションが苦手だったと異口同音に話しています。
しかし、生物部では、数千匹のカイコに丁寧にプロポリスを食べさせて、その馬鹿丁寧な仕事が認められ部長になっています。
その後、東北学院大学文学部歴史学科に進学しています。
大学でも浮いた存在
相沢容疑者は、本当に真面目な学生で、講義も一番前で聞いていたそうです。
しかし、クラスのグループLINEにも入らず、相変わらずお昼は1人で学食でカレーを食べていたと大学の同級生が語っています。
そして、3年生で進学したゼミでさらにコミュニケーション力の不足で浮いてしまったようです。
参照:FNNニュース
今年のの6月ごろ、相沢容疑者は「憲兵の組織論」に興味があるとゼミの人間に話したそうですが、その時は普段無表情な相沢容疑者が笑顔で嬉しそうな顔をしていたそうです。
また、昨年の3月に祖父がなくなった時も、周囲が涙を流しているのに相沢容疑者は無表情で淡々と葬儀の準備を母親の言われるままにやっていたとのことです。
相沢容疑者は小さい頃から感情に乏しかったらしく、小中高のアルバムの写真15枚も全て無表情だということです。
今回の事件の動機は「ミッションの自己完結」
相沢容疑者の親族が
「悠太はこうだと判断したら、まるで他人の意見は聞かずに自己完結してしまう。今回はそれが暴走したんだと思う」
と文春の取材に答えています。
またこの親族は今回の事件の動機として
「悠太は、拳銃を奪うというミッションを自分に課し、それを遂行しただけなのでは。奪った後に何をするというところまでは『考えられない子』。家にある武器を寄せ集め、まるで傭兵になったかのように完全武装して交番に乗り込んで行ったのだと思う」
と語っています。
あくまで私の私見ですが、相沢容疑者には、何らかの「発達障害」があったのではないかと思います。
亡くなった清野巡査長は「優しいアンパンマン」みたいな人
今回亡くなった、清野裕彰巡査長は、子供もおり地域では「アンパンマンみたいなやさしいおまわりさん」として親しまれていました。
参照:FNNニュース
警察署によりますと、清野巡査長を追悼するため、警察関係者や友人たちが毎日訪れていて、記帳した人だけで26日までに300人以上に上るということです。
人ひとりの命を奪った罪は、死んだとしても償いきれません。
捜査幹部によると、容疑者がすでに亡くなっていることから、動機の解明が難しく、容疑の裏づけには時間がかかる可能性が高いということです。
警察は、容疑が固まり次第、容疑者死亡のまま殺人容疑で書類送検する方針とのことです。